昨日、田代まさしさんの覚せい剤取締法違反等の罪に問われた、田代まさしさんの控訴審があり控訴棄却されました。
そもそも以前にも書きましたが、1審の判決は温情をかけてくれていて、むしろこれまでの薬物裁判ではピカイチによかったのに、マーシーさんなぜ控訴したのでしょうか?
この控訴は依存症の支援者や仲間達の間でも不思議がられていて、マーシーさんご自身もダルクの職員をされていた位ですから、悪くない判決だと分かっていらしたと思うんですよね。
また記事によると今回の控訴審では
「今は(薬物への)欲求を簡単に抑えられる。(治療を)続けることに意義がある」
と答えられたそうで、これは依存症問題に関わっている人たちなら「…???」と思うはずです。
いや、欲求なんていつどこで入るか全く分からないものだし、依存症は何年、何十年とやめていても、油断こそが大敵なのです。
だから依存症の自助グループには、何十年も繋がり続けている人達が沢山いるわけですよ。
エミネムだって今年自助グループに繋がって12年間薬物をやめているとSNSで報告しています。
Clean dozen, in the books! I’m not afraid. pic.twitter.com/g5Ww2gKoqF
— Marshall Mathers (@Eminem) April 21, 2020
そりゃあ私だって今は、止め始めた頃のように「頭の中がギャンブルでいっぱいでおかしくなりそう!」なんていう激しい苦痛を味わってはいませんよ。
でも「欲求を簡単に抑えられるようになった」とは思ったことがありません。
我々の様な重症の依存症者なら、みんなそんなこと思わないと思うんですね。
「いつ欲求が入るかわからないからこれだけは用心して生きなきゃ!」と思って生きています。
マーシーさんは重症であることは間違いないですし、そのことはご自身も重々ご承知のことと思うので、この発言は「一体どうしちゃったのだ?マーシーさんに何が起きているんだ?」という気持ちになります。
ダルクもやめてしまったようですし、しっかりとした治療サポートが受けられているのでしょうか?案じております。
さてマーシーさんはこれから刑務所に入り、最高に長くても2年後には出所されるわけですが、これ以上再発を繰り返さないために是非ともご提案があります。
ご覧になった方も多かったと思いますが、7/28に放映された「ザ!世界仰天ニュース」で清原和博さんの回復ストーリーが再現ドラマになりました。
このドラマの中で、清原さんと同じ、有名人で薬物依存症から回復を目指す、高知東生さん、元NHKうたのお兄さん 杉田あきひろさん、元NHKアナウンサー 塚本堅一さんらが集まり、有名人でありかつ薬物依存の方のグループミーティングが行われていることが描かれています。
そしてこの4人の方々は、皆さん薬物依存症治療の第一人者である、国立精神・医療研究センターの松本俊彦先生が主治医です。
私は、マーシーさんには同じ芸能界で生き、そしてマーシーさんと同じように薬物問題で逮捕された仲間と理解者が必要だと思います。
つねに注目され、評価され、マスコミに追いかけまわされ、激しいバッシングにさらされる…。こんな有名人ならではの経験を理解しあえる仲間の中で、初めてマーシーさんは正直な分ちあいができ、癒されていき、本当の回復を目指すことができると思うのです。
依存症は決して甘くありません。一人で頑張るにはただでさえ過酷すぎるのに、有名人の方は一般人よりさらなる過酷な経験をされています。
マーシーさん、出所されたあかつきには、是非、松本先生の治療に繋がり、有名人の方が集まっておられるミーティングに参加されてはいかがでしょうか。
きっとこれまで以上の共感が得られるはずです。