コロナの広がりを止めるために、心がけてほしいこと

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こんにちは、東京都議会議員(町田市選出)
無所属 東京みらい おくざわ高広です。

昨日から新型コロナ対策条例の改正が施行され、事業者に対しては、感染拡大防止ガイドラインの遵守とステッカーの掲示、都民に対しては、ステッカーの掲示されたお店の利用が努力義務とされました。

詳しくは、以下のブログをお読みください。

新型コロナ対策条例が改正され、ガイドライン順守が努力義務に。。。

私も街を歩いてみると、確かにステッカーを掲示している店は増えました。しかし、本当に感染拡大を図れているのかという点では疑問の残るお店も散見されています。

知事はステッカーが増えることで、《安心》が広がると言いましたが、新型コロナ対策において重要なのは、科学的根拠に基づく《安全》のはずです。
あくまでも自己申告で入手できるステッカーという根拠のない《安心》を広げて、都民一人一人が油断し、感染が拡大してしまうことが最も避けなければならないことです。

知事の記者会見で夜間営業の短縮が呼びかけられたその日に、私はとある深夜帯の営業がメインのDJバーを訪れました。
そこでは、アルコール消毒やマスク着用の徹底、人数制限も行いつつ、また扉も開け放ち、音量も大きくなりすぎないように、と様々な努力を重ねていました。
感染拡大を一番と恐れているのは事業者であり、従業員に他なりません。都議会本部会議では、ホストクラブなどに立入調査をした際にも、半数以上はガイドラインを遵守していたとの発言もありました。

こうした誠実な事業者が正しく評価され、利用者一人ひとりの注意深い行動とあいまって、はじめて感染拡大は防げるのだと思います。

そのような意味で、私も大切なメッセージを見落としていました。同じ記者会見で出された内容です。

どうしても会食等に参加される場合には、とありますが、会食に限らず、普段の生活から心がけることで、家庭や職場での感染を防ぐためにも有効な手段が書かれています。

例えば、体調が悪いと感じるときは、会食や飲み会に参加しないとありますが、仕事や学校も同じです。これまでの日本の企業では、「はってでも来い」という文化つまり「休まない=えらい」という評価基準がまだ残っていると思います。

こうしたことを見直していくことが、本来求められているのだなと感じるとともに、この注意喚起一つとっても、深夜帯の営業を自粛することで感染拡大を防ごうという方向性には疑問が残ります。

もっと言えば、夜の街で感染が広がっているのは結果論であり、症状の広がった先をいくら対策しても根本を抑えることはできません。
今、最も強調して発信すべきは、改めてマスクの着用、アルコール消毒や手洗いの徹底、ソーシャルディスタンスに加えて、こちらに書かれた対策を一人ひとりが徹底することです。

繰り返しになりますが、会食でも職場でも深夜でも昼間でも、やるべきことは変わらないはずです。

先ほど例に出したバーの経営者の方から翌日メールが届きました。

いろいろと悩みましたが、都の要請に従い、営業を自粛します。都の要請は時短ですが、深夜帯の営業の方にとっては休業と等しい要請であり、今後も経営を続けていけるかはわかりません。しかし、業界全体のことを考えて、自粛します。

代わりに、都の要請に従った店舗については、きちんと公表して認めてほしいです。誤った報道によって社会的制裁を受けることがないように、力を貸してください。私たちは「ここにいる」と、声を大にして言わせてください。

というものでした。

私たち政治家にできること、いや政治家にしかできないことは何か、改めて考えて行動していきます。
感染症対策の基本である「検査・追跡・隔離」の徹底により、感染を抑え込むこと。
正しく恐れ、行動してもらうための発信を強化すること。
正しい行動をしている事業者が正しく評価され、これからも経営を続けていける支援を行うこと。

私も持ち場で頑張ります。皆様のご協力も、どうぞよろしくお願いします。

と書いている途中で、報道ではありますが、「症状がありながら、いまだ検査を受けられていない」「宿泊施設での療養(隔離)を望んだが、満室を理由に断られた」という都民のエピソードが紹介されていました。

行政が果たすべきことをせずに、事業者や都民にだけお願いを出すなどということはあってはなりません。
事実確認の上で、厳しく指摘していきたいと思います。


編集部より:この記事は、東京都議会議員、奥澤高広氏(町田市選出、無所属・東京みらい)のブログ2020年8月2日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおくざわ高広 公式ブログをご覧ください。