お盆を来週に控え、各自治体の知事が相次いで独自の動きを見せている。「Go To トラベル」事業を推進している手前、「県をまたぐ移動を一律に控えて、と言っているわけではない」(菅義偉官房長官)という姿勢を貫く政府と地方が矛盾を抱えたまま迎える帰省シーズンを、国民はどう受け止めているのか。
東京都の小池百合子知事は6日の臨時会見で、「この夏は『特別な夏』」と書かれたフリップを掲げながら、「この夏は都外への旅行や帰省を控えていただきたい」と自粛を呼びかけた。
前回の記者会見を、「言葉遊び」と揶揄した脳科学者の茂木健一郎氏は、「『特別な夏』。。。このような言葉や呼びかけで現実が変えられると思うのは、一種の言霊信仰なのだろうか」とツイート。
「特別な夏」。。。毎回、小池さんが「コピー」を考えられるのだろうか。このような言葉や呼びかけで現実が変えられると思うのは、一種の言霊信仰なのだろうか。ぼくにはわからない。。
この夏は「特別な夏」小池都知事、お盆の時期の都民の帰省について控えるよう呼びかけhttps://t.co/SPu2s4iBke
— 茂木健一郎 (@kenichiromogi) August 6, 2020
舛添要一前都知事は、「小池都知事は感染防止の徹底を呼びかけるというが、具体的な対応策がなければ、安倍首相と同じく、あまり意味がない。いずれ、狼少年になってしまうだろう」と口先だけの姿勢を批判している。
本日の東京都のコロナ感染者360人、小池都知事は感染防止の徹底を呼びかけるというが、具体的な対応策がなければ、安倍首相と同じく、あまり意味がない。いずれ、狼少年になってしまうだろう。
— 舛添要一 (@MasuzoeYoichi) August 6, 2020
お盆休みの帰省を巡っては今週、鳥取、島根、岡山、広島、山口の知事でつくる中国地方知事会が共同メッセージで「もう一度家族と相談して」と慎重な判断を求めたり、福井県の杉本達治知事が「東京からの帰省を自粛していただきたい」と強調したりするなど、地方の各自治体知事からの発信が相次いでいる。
また、岐阜県の古田肇知事による「第2波非常事態宣言」、三重県の鈴木英敬知事による「緊急警戒宣言」、沖縄県の玉城デニー知事や愛知県の大村秀章知事による「緊急事態宣言」など、首長による独自の宣言が乱立する状況に、ジャーナリストの江川紹子氏は、「自治体が法的根拠がないままに、それぞれの緊急事態宣言を出さざるを得ない状況になっているのに、国はどうするつもりだろう」と疑問を呈した。
自治体が法的根拠がないままに、それぞれの緊急事態宣言を出さざるを得ない状況になっているのに、国はどうするつもりだろう。その基本的方針を首相に聞きたい人は少なくないのではないか。
— Shoko Egawa (@amneris84) August 5, 2020
一方、安倍晋三首相は6日、広島市での平和記念式典出席後の記者会見で、改めて「直ちに緊急事態宣言を出す状況にはない」との認識を示した。
音喜多駿参議院議員は、「さすがにここまで国と都の主張が異なると混乱が増すばかり」と憂慮。
さすがにここまで国と都の主張が異なると混乱が増すばかり。小池知事の対応にも後手は目立つが、政府がきちんと地方自治体に権限移譲をするのか、トップダウンで統制を取るのかを決めておくべきだった。すべてが中途半端な状態で「特別な夏」のお盆が始まる…。 #NewsPicks https://t.co/vW68bvEL0k
— 音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選出) (@otokita) August 6, 2020
音喜多議員がツイートした通り、
すべてが中途半端な状態で「特別な夏」のお盆が始まる…。