15日の日経新聞の「大樹小機」はベーシックインカムの問題点等をよくまとめてあったと思う。
1人当たり毎月8万円を国民全員に配れば総額120兆円の財源(今の税収のおよそ2倍)が必要だが、どう調達するのかということである。
その通りだと思う。いくら理想だと言っても、国といえども金が無くては何もできない。世界の最貧国ハイチにも理想があり、やりたいことはいろいろあるだろう。しかし金が無いから出来ない。
今年、国民1人当たり10万円配布で12.8兆円を使った、今年度法人税収分見込み分を使ってしまったわけだ。それを毎月配れば年144兆円が必要だ。
ベーシックインカムを採用すれば社会保障費を全廃できるだろう。社会保障費は歳出の3割と言うから歳出は70兆円に減り、ベーシックインカム以外の予算は均衡する。ならばベーシックインカムの財源、1人8万円で120兆円、1人10万円で144兆円の財源をどうするか?の議論になる。徴税力抜群の消費税に頼るしかない。
今年の消費税収予想は10%で21.7兆円だから1%当たり2.7兆円。120兆円÷2.7兆円は45%、144兆円÷2.7兆円は53%だから、国民一人8万円配るには消費税を55%、10万円なら63%にして初めて可能な数字だ。
MMT信奉論者のように借金が財源になるのならともかく、まずは財源ありきの議論が必要だ。
そうなると国民全員に一律配布は無理で、一部の人のみへの配布となる。「働くことのモチベ―ション」をどう維持するかが議論の最大のポイントとなるだろう。