今週のつぶやき:市場の方向感喪失、安倍首相の苦悩など

秋元司議員と半沢直樹が対峙したらどんなシーンになるのでしょうか?「あ・き・も・とぉー!、政治家としての思慮も節度もないのか?お前の隠し事なんて必ず暴かれるようになっているんだ。お前の刑期は2倍にしてお返しだ!」。それにしても河井夫妻にしろ秋元議員にしろ、別世界を突っ走ったその背景は権力の上に自分が転がされていることに気がつかず、カネ、カネ、カネの亡者となっていたことでしょう。秋元議員は未だに二階派の特別会員。思わず唸ってしまいます。

では今週のつぶやきをお届けします。

秋風を感じる市場の方向感喪失

(写真AC:編集部)

アップルの時価総額が2兆ドルを超えた、テスラがウォールマートの時価総額を超え、2000ドル以上の株価をつけたといった景気の良い声が聞こえる一方、全体を見渡すと8月初旬以降、秋の気配を感じざるを得ない状況にあります。バイデン候補が増税のターゲットをGAFAなどに照準を合わせていることもありますが、トランプ大統領の積極的な展開が見えないのもまた方向感喪失の原因の一つでしょうか?

決算期は終わり、7-9月期は回復期になると期待されているものの人々の生活や仕事のスタイルは大きく変化したままです。アパが大阪梅田に1700室の西日本最大のホテル建設に着手したとありますが、私はアパが同じトーンで強気一辺倒である理由がわからないのです。ビジネス出張は減ります。欧米でもコンベンションビジネスはひと世代古いスタイルとなりつつあり、時代は変化します。

秋に向けて方向感を模索する、そんな感じでしょうか?新時代のビジネスと古いビジネスモデルの選別が進み、それが株価に反映するでしょう。M&Aは今後、更に伸び、本格的淘汰の時代になると考えます。レナウンが再建できず、清算となったのはそんな流れのごく一部だと思います。もう一つは世代交代がうまくいかないことでしょうか?6500人も擁する芸能事務所のオスカーからタレント流出が問題になっていますが、一つの理由は創業者の古賀氏が不人気な娘婿に地位を譲ったことでしょう。ジャニーズ事務所もそうでした。カリスマと世代交代は本当に衝撃的影響を与えるのです。

安倍首相の苦悩

首相の健康不安説が駆け巡っています。この数カ月確かに調子がいまいちな感じですが、私がおかしいなと思ったのはコロナの最中、首相がステイホームのビデオを流したときでしょうか?非常に陳腐だったのですが、それ以上にうつろな表情に宰相としての威厳はなかったです。仮に本当に調子が悪いのならどうするかであります。

まず、秋の内閣改造をやるのか、改造の以前に退陣があるとすれば次は誰がやるのか、です。数カ月前このシナリオを本稿で書いた際、あと1年麻生さんが代行し、来年まで時間稼ぎと記しました。今の時期、首相候補の顔ぶれを見るとそれしか選択肢はないと思います。また、秋に内閣改造をするなら二階さんはあまりにもミソをつけたので降りるしかない、とすれば名が挙がる岸田さんが後任、これは妥当な人事だと思います。

菅さんは番頭型ですので首相の器ではありません。案外、思わぬ人が首相になるのかもしれません。それはそれでいいでしょう。安倍政権が作ってきた2012年末から続く今日の社会は日本を元気にさせた点で十分な功績があったと考えています。しかし、今、社会観も世界観も激変した中、安倍首相の色が強すぎない方がいいのかもしれない、もっと若手の新風があった方がいいのかもしれないと考え始めています。

コロナが収まっても…

政府コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長がコロナのピークアウトを示唆しました。数値から7月27-29日頃がピークだったと判断しているようです。もっともコンサバであるこのチームからこのような発言が出てきたことは明るい兆しであります。

今回のコロナは変異との戦いだと思います。いわゆるコロナウィルスは過去の例を見ても変異しやすいのが特徴でした。一方、ウィルスは生きるところを求めさまよい、春先は高齢者や疾患を持つ弱い体に入り込んだもののその人が死亡したことにより強いウィルスそのものも生きられなくなったということでしょうか?とすればダーウィンの種の起源そのものでウィルスも寄生先とうまく付き合わざるを得ないということです。つまり、弱体化し、ヒトとの共生の道を選んだということなのでしょうか?

ただ、問題は人々のメンタルに与えた影響が大きかったと思います。その一つに日米で2021年の出生者数が1割減になるのではないかと日経が報じています。日本の場合2019年の出生者が86万人、20年は80万人強程度ではないかと推定すれば21年末は日経が指摘する80万人割れではなく、七十数万人ぐらいになってしまう出生者数大激減が視野に入ります。これでは20年後の日本の社会がまったく維持できなくなる極端な落ち込みになります。いまから対策を考えておかないと立ち行かなくなることは目に見えています。

後記

藤井聡太さん、二冠おめでとうございます!これが何といっても私にとって一番うれしいニュースでした。18歳の快挙について無数の解説が出ていますが、私は彼の頭が量子コンピューターのように並列で物事を考えられること、それと最新のAIにも生まれつつある「ひらめき」が備わっているように感じます。時代の大きな変化です。ものの考え方、アプローチの仕方など様々な面で勉強になります。解説を聞くより彼のスタイルをどう自分に取り入れるか、それの方が100倍興奮しませんか。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2020年8月22日の記事より転載させていただきました。

会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。