裁判が長引けば長引くほど、じわじわと選挙に影響していくのだろうと思っている。
今のところは、自民党の支持率にはさして影響がないように見えるが、裁判の進行に合わせて自民党幹事長の二階さんなり二階派にスポットライトが当たるようになると、二階派所属の国会議員一人一人についてマスコミが注目するようになるだろうから、自民党所属の国会議員全体の信用や評判を落とさないためには、速やかに二階派から退会させるなり、国会議員の辞職を勧告するなりして自民党にもそれなりの自浄力があることを示した方がいいはずである。
証人尋問が始まると、当然マスコミは当該事件について様々に報道するようになる。
裁判は、絵になる。
テレビの影響力は現時点でも圧倒的だから、証人尋問、被告人質問が続く限り、延々とテレビ局は当該刑事事件の報道を続けるはずだ。
秋元司被告の事件は、カジノだけでなく証人買収まであるのだから、如何にもおどろおどろしい事件のような印象が付き纏うことになる。中国の一連の対日工作の一環のようなニュアンスが出てくると、いつ火が点くかも分からない。
もう一方の河井夫妻の選挙買収事件の方も次から次へと証人が登場する異例の裁判になるから、まず報道が止むことはない。
自民党本部の選対まで法廷に引っ張り出されるようなことはないだろうが、河井夫妻の弁護団の争い方次第では、何が飛び出すか分からない。
二階派にとっては相当しんどい裁判になりそうである。
多分、自民党幹事長の二階さん本人にとっても…。
まあ、致命傷になる前に衆議院の解散・総選挙に雪崩れ込んで、これらの刑事裁判の悪影響を最小限にすることなどをあれこれ考えられるだろうが、それが上手く行く保証はない。
結構、大変そうですよ。
とりあえず、そう、申し上げておく。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2020年8月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。