ファスティング(断食)すると、太って不健康になる

世の中の常識と呼ばれるものは、ある日突然非常識に変わってしまうことがあります。それは、世の中の環境変化のせいかもしれませんし、そもそも隠蔽されていた不都合な真実が明らかにされただけの話なのかもしれません。例えば「借金は悪」「大企業に入れば安泰」「真面目にやれば報われる」「お金が無くても幸せ」・・・私にとってはどれも誤った情報に思えます。

健康に関する情報も、私のような素人から見れば、何が正しく、何が間違えているのかわからないことが多すぎます。そもそも、まだ科学的にも解明されていないことも多いのです。

加工肉(ソーセージ、ベーコン)や喫煙は明らかに体に悪いことがエビデンスによって証明されています。しかし、牛乳は体に良いのか?コーヒーは飲んだ方が良いのか?といった議論は、良いとも悪いとも言えないというのが現実のようです。

はっきりしていることは、素人が勝手な解釈で健康法を始めると、大きな失敗に陥る可能性があるということです。

コロナの感染が広がる中、運動不足やストレスで体重が増えてしまい、その対策としてファスティング(断食)をやっている人をSNSで数多く見かけました。市販のドリンクだけで数日間を過ごし、デトックスして体重も減る。味覚が研ぎ澄まされ、感性も鋭くなるそうです。

しかし、ファスティングすると、摂取するエネルギーが不足します。体内の脂肪が燃焼されれば良いですが、糖新生(とうしんせい)によって筋肉が分解されてしまうそうです。体が飢餓状態を察知すると、大量のエネルギーを消費する筋肉の動きを抑えようとする体の反応です。

さらに、カルシウムのようなミネラルも補給されないと、骨を分解して補うリスクもあるそうです。つまり、ファスティングによって、筋肉量が減って骨密度が下がってしまう。体に良いとは思えません。

ファスティングで体重が減るのは脂肪が落ちたのではなく、水分が減っただけのこと。体が飢餓状態になると、逆に脂肪をため込みやすくなり、ファスティングによってリバウンドしやすい体になってしまうのです。ファスティングを繰り返すことは、体への負担も大きくなり、健康にはマイナスです。

このような話が事実とすれば、医師の指導の下に長期的に行うファスティングはともかく、素人が数日間で極端にエネルギー摂取を控えるファスティングは、むしろ体に悪いのではないでしょうか?

それよりも日々の食生活をしっかり管理して、適度な運動をして、睡眠をしっかり摂る方が健康には良いと思います。

という訳で、私は今日も3食しっかりと栄養を摂って、1万歩以上歩いて、ぐっすり眠るようにします!


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年8月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。