こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
昨日は石垣のりこ議員による差別発言への怒りで終わってしまったので、今日は私と安倍総理との思い出話を記したいと思います。
私が国会にきたのは昨年夏ですので、安倍総理と向き合ったのはわずか1年間。野党の一回生議員には総理と絡む機会というのはほとんどありませんが、幸運なことに2回ほど直接的に接する場面があったのです。
予算委員会での、予定原稿よりも踏み込んだ答弁
忘れもしない、私のテレビ入り予算委員会のデビュー戦。記念すべき1つ目の質問は、「台湾のWHO(オブザーバー)参加を強く後押しすべき」というものでした。
事前に答弁原稿を書くであろう外務省官僚との意見交換の段階では、「国際協調が大事だとか、その辺りの答弁になると思います」とのことでしたので、まあそんなものだろうなと思って当日に臨んだのですが。
その予想を大きく裏切り、安倍総理は原稿に目を落とさず
「そのとおりだと思います」
「政治的な立場で排除しては、地域全体を含めた健康維持・感染の防止は難しい」
と力強く断言されました。
参考過去記事:
コロナウイルス対策で、台湾のWHO参加は必須。政治的意図での排除を許すな!
事務方も驚いたこの答弁はニュースになり、大きな影響を及ぼしました。
いち野党議員からの質問であっても、事務方が気にして慎重に言葉を選ぶ場面であっても、自身の信念に従って言うべきことは言う。
そんな総理だからこそ、「一強」と言われる体制を長年維持できたのだろうなと、私はこの時に強く感じたものです。
会派控室での雑談
もう一つの機会は、たしか予算成立後のことだったと思います。
各会派の国会控室に、安倍総理以下主要閣僚が挨拶まわりをされる慣習があるのですが、そこで居合わせた国会議員たちと総理は順番に握手。
その最後にいた私に対して安倍総理が、二言三言、耳打ちをして話しかけてくれたのです。詳細な文言は安倍総理が政治家を引退してから記すことにしますけども(笑)、
「東京選挙区からきてくれたのが君で良かったよ」
というような内容を、ウィットに飛んだ冗談を交えて話しかけてくれた感じでした。
この時、総理から良い意味での「軽さ」「人間味」を感じ、こうした人間的魅力も長期政権の秘訣の一つなのかなと思いました。
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私たち野党、ましていち一期生議員から見れば安倍総理はラスボスのような存在で、攻めても攻めてもHPが減っていかない、そんな強敵中の強敵でした。
それがこのタイミングで突然の辞任。「あれほど手強かった人が…!」と、妙な喪失感でいっぱいです。
もちろん功績の一方で、政策的には批判すべき点も多々あります。特に軽減税率の導入(+増税)と公文書の改ざん・破棄は、歴史に残る大失策だったと思います。
こうした点については引き続き批判的検証と建設的な対案を出しながらも、その重責を全力で担われてきた安倍総理には心より敬意と感謝の気持ちをお伝えするものです。
…短い間!!くそお世話になりました!!!
※ONE PIECE(漫画)の台詞パロディです
後継者との闘い(解散総選挙)に向けて、我々も抜かりなく準備を進めてまいります。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2020年8月29日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。