スタバの「ソーシャルディスタンス席」が突然無くなったのはナゼ?

ほぼ毎朝通っている溜池山王のスターバックス。今週行ってみると、大きな変化がありました。座席に貼られていた「ソーシャルディスタンス」のシールが無くなって、座席数が、コロナ以前と同じ数に戻っていたのです。

レジの列には、依然として間隔を空けるようにシールが床に貼られていますし、カウンターには透明な仕切りでコロナ感染対策が行われていますが、ほぼ平時の店舗営業に戻ったと言って良いでしょう。

この間、国や自治体のコロナ感染対策に変化が合った訳でもありませんし、感染者数(陽性者数)が大きく変化した訳でもありません。突然の変化の理由はナゼなのでしょうか?

そもそも、席の間隔を取って、向かい合わせに座らないようにしても、あまり意味はありません。壁面側に座っている人の真ん前に人が座れるようになっているので、座席を間引きしても感染防止の意味はほとんどありません。

感染防止効果よりも「ソーシャルディスタンスやっています」というアピール効果が目的といっても良いでしょう。

コロナウイルスに対する世論は、微妙に変化してきています。相変わらず「経済よりも命」と過剰な自粛をしている人もいますが、感染者(陽性者)数に一喜一憂するのではなく、重症者や死亡者に注目し、医療機関の負担を下げることに重点を置くべきと考える人が増えてきました。

スターバックスがこのような世の中の「空気」を読んで、店舗運営を修正しているとしたら、外資系らしからぬ日本的な対応です。変化の本当の理由はわかりませんが、座席数が多くなって、満席になることが少なくなったのは、利用者としてはとても助かります。

今朝のスタバの店内では、ほとんどの人がマスクをしていません。談笑しているグループもいます。「ソーシャルディスタンス席」を廃止したのは、正しい選択だと思いました。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年9月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。