逆に安倍政権時代の代表的な「負の側面」「失策」を2つほどあげてみる

こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

先日は安倍総理との個人的エピソードを2つほど紹介させていただいたところ、大きな反響がありました。

この時は主に安倍総理・政権を好意的な視点から取り上げたので、今回は逆に「安倍政権のこの政策は不味かった」というものを指摘していきたいと思います。

細かい点を上げればキリはありませんが、私が特に「これは憲政史上に残る失策だ…」と感じているのは主に2点です。

首相官邸サイト

軽減税率の導入(&増税)

私は「稀代の愚策」である軽減税率導入には、地方議員の時代からずーっと一貫して反対してきました。

参考過去記事:
「軽減税率は先進国の常識」の大ウソ!欧州の「失敗」を繰り返さないために…

増税を巡る議論がひどすぎるので、やはり軽減税率は灰燼に帰すべき

得られる効用はごくごくわずかにもかかわらず、公明党が求める「痛税感の緩和」という謎のメリットのために、子々孫々にまで残る複雑怪奇で不合理な税制が日本に誕生することになってしまいました…。

実際に昨年から軽減税率が導入されていますが、何もいいことなし。そしてその副作用がどんどん社会に出てくるのはこれからだと思います。

ここは本当に「給付付き税額控除」やポイント制度を活用する財務省案で押し返してほしかったし、残念でありません。

このコロナ禍のタイミングは、消費減税を断行する絶好のチャンスであり、軽減税率はそれに伴って廃止をすることが望まれ、提案を続けていきます。

公文書の改ざん・廃棄

これも本当に残念な事態が相次ぎましたし、改善の傾向も最後まで見られませんでした。

森友事件も桜を見る会も、その本質はこの一点です。政権の都合の良いように全国民の財産である公文書が改ざん・破棄されるなど、当然に許されることではありません。

参考過去記事:
公文書は捨てちゃダメ!!総デジタル化 ✕ 永久保存 ✕ 公文書館の強化を急げ

起きてしまったことに対して、明確な改善策が取られたならまだしも、結局は抜本的な見直しは行われていないまま今に至ります。

安倍総理を「政権を私物化していた」とまで断定するかは別として、強力なリーダーシップと引き換えに、情報公開や透明性・有権者への説明責任という点が蔑ろにされてきた側面は否定できないでしょう。

こうした点もありますので、安倍総理を「戦後最高の宰相」と評価できるかどうかは、まだ私の中では微妙なところです。

ただトータルではプラス面が大きかった政権だと思いますし、100点満点の政治というのがない以上、「少しでもマシ」な選択肢に向けて努力と提案を重ねていくしかありません。

特に上記にあげた2点はどちらも、法改正などで今からでも修正ができるものです。過去は変えられませんが、安倍政権が遺したものをプラスに転じていけるよう、我々からも提案を続けて参ります。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2020年8月31日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。