こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
自民党総裁選・合流新党代表選を尻目に我が党も政権公約マニフェスト作成の真っ最中ですが、合間を縫って本日は「国会図書館」の視察へと伺いました。
(地下の書庫にて、少年サンデー創刊号と)
「日本で刊行されるすべての書籍類が保存される」
ことで有名な国会図書館でありますが、保管・管理だけではなく歴史的書物の修復作業も担っており、その役割は多岐にわたります。
(江戸時代の書物などを、職人技で修復・補強)
その中でも書籍類の「デジタル化」について大きな課題があるということを山田太郎参議院議員の問題提起で知り、遅ればせながら現状を知っておくべきだろうと私も足を運んだ次第です。
デジタル化能力5%弱?!国会図書館デジタル化実現へ大きく前進!(前編)
問題点・解決策ともに上記のブログに完璧にまとめられているので、私から付け加えることはほとんどないのですが…(苦笑)。
国会図書館が有すると発表されている最新の蔵書数4418万点を母数とすると、デジタル化が完了しているのは244万点で、割合にすると約5.5%ということになります。
古いものから順次デジタル化を進めているそうなのですが、一年間にデジタル化可能なキャパシティはごくわずか(山田太郎議員のヒアリングによると約2万点/年)。
国会図書館に納められる年間蔵書点数は約78万点(※)とのことですから、今のキャパシティのままデジタル化を古い順から進めていると、永遠に追いつかないどころかむしろ未デジタル化の蔵書が増え続ける一方という状況になっています。
※国会図書館の統計より抜粋数字、映像資料などを除くと約74万点
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専門技術と手作業が必要な歴史的書物の修復作業についてはマンパワーの問題などがあるものの、デジタル化については
「ほぼ予算の問題(外部発注が可能)」
とのことで、年間2.3億円と言われているデジタル化の予算をどれだけ上積みできるかが焦点になります。
国会図書館にある蔵書のデジタル化が進むことは半永久保存という観点からはもちろんのこと、コンピューターによる本文・中身検索なども用意になり、著作権などの問題をクリアすればオンライン上からの閲覧・活用も可能になるなど、その便益は極めて大きいと考えられます。
前述の山田太郎議員の試算によると、2000年までの刊行物を総デジタル化するのに必要な予算が約207億円、2000年以降のものもすべて行う場合はさらに700億円という数字をはじき出しています。
この金額をどう捉えるかという問題ですが、私は知財活用という観点からすると決して法外とは言えない規模感ではないかと思います。
もちろん無駄を排除して財源を効率よく生み出すということは必要不可欠であるものの、すでに与党も動いている本件について、我々としても党派を超えて後押しできるよう検討していきたいと考えています。
■おまけ■
視察に行くことを事前に伝えておいたところ、担当の方がなんと母校(海城中学校)の卒業論文が保管してあるコーナーに案内してくれました。
私の母校は中学生には珍しく「卒業論文」を強制される学校(?!)だったのですが、こうした刊行物は自主的な申し出・献本があった場合に保管されるそうです。
何を書いたのは完っ全に失念していたものの、
「テレビゲーム普及に伴う社会的影響 少年犯罪を例にゲームの有害性を考える」
というタイトルをみた瞬間に一気に色々と思い出しました。
当時から盛んだったいわゆる「ゲーム悪玉論」について、参考文献を引きながら片っ端から論破を試みる内容を書いたのでした。
その参考文献には、当時は若手精神科医だった香山リカ先生の著作も入っていたんだよな…懐かしい。。
期せずして今も一貫して取り組んでいるテーマ(表現の自由!)だったことがわかり、なんだか嬉しくなった出来事でした。
そして高校生の社会科レポートでは、歴史教科書と慰安婦の問題について日本の教え方・マスコミ報道を強く批判するタカ派のレポートを書いていた気がする…こちらは当時よりは少し、考え方に角が取れたような。
いずれも原本は手書きだったから残ってないだろうけど、この一事からもやっぱりデジタル化しておくことは重要です。←
政策提言を重ねていきたいと思います。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2020年9月8日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。