このまま行くと岸田さんにも石破さんにも出番が回ってこないかも

早川 忠孝

そんなことは言わないで、とどこからか悲鳴が上がって来そうな気がするが、あえて悲鳴が上がりそうなことを言っておく。

国と地方のデジタル化について発言する菅首相、右は武田総務相(25日、官邸サイト)

菅さんは、5年間はやるつもりではないかしら。

地方自治体のデジタルの一本化を5年以内にやり遂げたい、と狼煙を上げられたようだから、多分5年間は政権の座に就いていたいと思っておられるのだろう。

デジタル改革が1年や2年で出来るはずはないから、5年間という目標期限を設定されたのはそれなりの目算が立っているからだろうと思っている。

守りに強い菅さんが、どんどん攻勢に出ている。

官邸の体制が一新されるようである。
まだ安倍内閣当時の残滓が残っているようだが、いわゆる経産省出身の官邸官僚の影響力は殆ど消失し、菅さんの意のままに動く新たな菅官邸になりそうである。

菅さんはかつて総務大臣を務めたことがあり、総務省の所管行政には通暁しておられそうだ。

新任の総務大臣は私と衆議院当選同期の武田良太氏だが、菅さんは事実上総務大臣を兼務するくらいの勢いで総務省が推進しようとする様々な改革をバックアップしそうである。

地方自治体のデジタル関連施策の一本化・統合化を本気でやりそうだな、と思っている。
マイナンバーカード関連施策も一気に進展するはずである。

菅内閣の行政改革は、相当広範でかつ大胆なものになる可能性が高い。

菅さんは、どちらかと言うと寡黙で、黙々と仕事を仕上げる人のような印象が強い。
とても外交的とは言えないので、国際社会での評判がどの程度上がるか分からないが、とにかく言ったことは実行する人だと言っていいだろう。

いわゆる仕事師なので、結果を出すための環境整備等には周到なはずである。
少なくとも、安倍さんのようには襤褸を出さない。

ちょっと付け入る隙がなさそうな感じである。

多分、来年の通常国会の前に衆議院の解散・総選挙を実行して、磐石の体制を構築して通所国会に臨むはずである。来年の自民党総裁選は、難なく乗り切ってしまう。

復権できるのか?(自民党サイト、Wikipediaより)

万一の事態に備えて岸田さんも石破さんも爪を研いでおられるだろうが、菅さんに健康問題が発生しない限り、菅体制で当分ずっと行く。

ひょっとすると、このまま行くと岸田さんや石破さんの出番がなくなってしまうかも知れないぞ、などと考えている昨今である。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2020年9月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。