個食・健康・環境・サスティナブル・・・、植物代替肉が熱い視線を受けています。多摩大学ルール形成戦略研究所が主催する「CRS細胞農業研究会」は、培養肉(仮称)に関する議論を行っています。
培養肉(仮称)が本格的にハンバーガーショップやステーキショップで食べられるようになるのは、まだ先の話ですが、消費者に受け入れられる為に何を考え、何をしなくてはいけないか、これは今から学ぶ必要があります。そのケーススタディが、正に植物代替肉です。先ずは、食べに行く事。今回はKOMEDAIS□に行ってみました。
「KOMEDA is□」は、コメダ珈琲が東銀座で経営するPLANT BASED KISSAです。コメダ「KOMEDA」と大豆「DAIS」と新たな自分をつくるという意味の「is □」を掛け合わせた店名だと勝手に思っています。
街中にあるコメダ珈琲とは、随分と異なる店内イメージ、そして価格帯も少し高め、意識高めの消費者に向けたアンテナショップという位置づけなんだと思います。その意味では、東銀座と言うビジネス系とショッピング系のクロスエリアに店舗をつくったことも頷けます。
注文は、新たな日常という意味も含めてタブレット。決済はタブレットからではなく、入り口カウンターでの支払いです。タブレット上での卓上決済が望ましいと思うのですが・・・。
今回注文したのは、「大豆ミートアボ照りバーガー(大豆ミートを使ったアボガド入り照り焼きハンバーガー)」とアイスミルクコーヒーです。バーガーはcurryマヨ、misoチーズ、タルタルwasabi、そしてアボ照りの4種類、全てポテト付きで1280円。所謂ファーストフードハンバーガーの値段と比べると価格は高いですが、サイズが「デッカイ」のです。二人で食べても充分な満足度を得られるサイズです。
先ずハンバーガーですから、パン、大豆ミート、トマト、アボガド、照り焼きソースを一気に口にほおばり食べてみました。ハンバーガートータルの味としては、「肉」のハンバーガーに比べても見劣りしません。次に大豆ミートだけを取り出して、照り焼きソース付きで食べてみると、これも充分味わえます。そして、ソースをぬぐい取って、大豆ミートだけを食べてみると、肉汁みたいなものが出てくるわけではないので、単体としての味は、「肉」に劣ります。
「肉」として食べるのか、「代替肉(大豆ミート)」として食べるのか、比較する事が全てではないので、それぞれオリジナルな食として捉えることも出来ると思うのです。食べるという行為は、体を維持するための栄養補給なのか、味を楽しむ為のものか、友人・家族とのコミュニケーションの道具なのか、環境を意識するための行為なのか、「食べる」という当たり前を再定義してみるのも良いと思います。
大豆たんぱくの利用は、日本では昔から行われていました。そして今、世界的な健康志向、環境志向、個食志向によって、消費者に近い所、見えるとこで、食物代替肉として世間の注目を集めています。「良いものは売れる」という考えから脱却し、「良いものを社会課題に照らし合わし、どのように売っていくのか」というルール形成的思考で、ビジネスを再定義すると、もっと市場を広げられると思います。さて次は、どこの植物代替肉を食べに行ってみようか・・・。
編集部より:この記事は多摩大学ルール形成戦略研究所客員教授、福田峰之氏(元内閣府副大臣、前衆議院議員)のブログ 2020年10月3日の記事を転載しました。オリジナル記事をお読みになりたい方は、福田峰之オフィシャルブログ「政治の時間」をご覧ください。