欧州:コロナの恐怖、再び

欧州でコロナ感染が再び急拡大しています。冬に向かう今、このコロナ感染拡大は春の時に比べて経済的影響が大きくなる可能性があり、非常に懸念しています。正直、この冬に春のような状態になれば経済に壊滅的打撃がでることも視野に入れなくてはいけないかもしれません。

欧州でコロナが再拡大(10月4日、ベルリン:Matthias Berg/flickr)

ご承知の通り、今回の拡大はアジア(特に東アジア)での感染は低位水準に収まっているもののインド、アメリカ、ブラジルのほか、ここにきて欧州では優等生だったドイツが一日感染者数が過去最大の7300人、ベルギー、イタリアが1万人越えなど感染者グラフを見ると極めて深刻で、再び歯止めがかからなくなってきてます。

そのため、経済活動の制限を次々と打ち出しており、飲食店の休業など営業活動や移動の制限、集会の制限が厳しくなってきています。また、政府による支援も原資が底をつき始めていることが一つあり、春のようにどんどん出てくるという状況にありません。また、アメリカのように政治ゲーム化してしまい、大統領選後まで追加経済支援策がまとまらないというところもあります。

カナダでも概ね9月末ぐらいまでには春から続いた支援策が切れつつあり、労働者も自宅のカウチ(ソファ)に座っていれば働く以上に支援金が貰えた人たちが労働市場で必死に職探しをしております。エントリーレベルの労働者の受け入れが多かった飲食業などが各種制限もあり、十分回復しておらず、肌感覚として路上生活者が増えてきているように感じます。統計的にはカナダは労働市場についてはコロナ前の約75%の戻りに留まっています。

また、人々のメンタルが全体的に落ちているため、前向きなやり取りがしにくくなるシーンもあり、難しい局面にあるかと思います。

私の周りでも春のコロナの際は工夫をし、耐え忍んできたビジネスオーナーは多かったと思いますが、ここにきてその努力の甲斐もむなしく、数字として表れてこないため、ギブアップしそうなところが散見できます。

もちろん、オンラインビジネスなどに転換できるような業種は良いと思いますが、高齢の経営者やご夫婦など家族経営では日進月歩となった技術との戦いもあり、そう簡単にはいかないでしょう。(提供する経営側も注文する客側も変化対応についていけないという意味です。)

また、飲食については夏は道路を封鎖し、テーブルを出し、パティオとするなど、飲食店の屋外での営業活動を推し進めました。例えば私の事業のテナントの一つにカフェがありますが、暖かい日は今でも屋外は満席になりますが、雨の日や寒い日は人影はまばらです。そうするとこれから約6カ月続く雨期で寒い日々は経営者の体力をより奪うことになりかねません。

日本については緩和策をどんどん繰り広げています。横浜スタジアムではほぼ満席状態にしたうえで感染対策の検証をする実験を行いますし、海外からの受け入れは10月から始まりましたし、一定条件下に於いて2週間の隔離免除案も近く具体化しそうです。

これらは来年のオリンピックが視野にあるわけですが、前述のようにアジア人は比較的落ち着いているのですが感染の拡大が止まらない欧米からの訪問者にはやや抵抗があるかもしれません。これを乗り切れるのかどうかは日本の感染症対策だけでなく世界全体の枠組みの中で決まっていくでしょう。私は無観客のオリンピック開催の可能性はまだ相当の確率でありうると思います。

最後になぜ、感染拡大が止まらないか不思議でしょうがないのですが、私は遺伝子的人種背景もあるような気がしてなりません。モンゴロイドはかかりにくく、コーカソイドは弱いような感じがしてなりません。

ちなみにインド、イランはインドヨーロッパ語族(アーリア人)と言われるように肌の色は違いますがルーツは同じ白人です。専門家ではないので想像の域ですが、どうも外的要因と共に内的要因にもなにか隠されたものがあるような気がしてなりません。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2020年10月18日の記事より転載させていただきました。