富山県職員が、石井隆一知事の知事選立候補予定者討論会での演説アドバイスなど選挙関連書類を作成していた問題で、アゴラ編集部が情報公開制度に基づき、当該文書の開示請求をしたところ、県が「不開示」を決定したことが明らかになった。決定権者は石井知事で、決定は19日付。
この問題は本サイト既報どおり、県の職員が9月26日の討論会に向けて「知事選立候補予定者想定問答」や、発言中の視線や言葉遣いなどのアドバイスも含めたペーパーなどを作成したとされる。
また、石井知事の政策集のドラフトとみられる「政策集体系案(未定稿)」というファイルの存在も判明。これには現職の総合政策局長が作成したドラフトをベースに修正されたかのような文言も入っていた。
これらの文書の存在は、アゴラが報道した6日夜、石井知事が記者会見して認めていた。アゴラ編集部はその前日、県に事実関係を確認した際、2つの文書について情報公開請求を行っていた。今回の不開示決定はこれを受けてのもので、理由についてはいずれも
請求された文書は、富山県情報公開条例第2条第2項に規定する公文書に該当しないため
としている。なお、この条文は以下の内容だ。
2 この条例において「公文書」とは、実施機関の職員(県が設立した地方独立行政法人の役員を含む。以下同じ。)が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているものをいう。ただし、次に掲げるものを除く。
(1) 官報、公報、白書、新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるもの
(2) 富山県公文書館、富山県立図書館その他の実施機関の施設において、県民の利用に供することを目的として管理されているもの
(平16条例55・平27条例8・一部改正)
不開示理由は同上の(2)に該当しないためと判断した形だが、知事の選挙準備は県民の利用に供することを目的としていないためであろうか。知事選最終盤、県民の印象を左右する可能性がある。