パネルディスカッションを盛り上げるために意識している「3つのこと」

週末の出版記念セミナーでは、講演の引き続き著者4人によるパネルディスカッションを開催。私が登壇者兼モデレーターを務めました。

人前で話すのは、今ではまったく緊張しなくなりました。その中でも、講演のように1人で話すよりも、パネルディスカッションのような対談でモデレーターをしたりする方が、自分でやっていて楽しいと感じることが多いのです。

パネルディスカッションをモデレーターとして盛り上げて、わざわざ聴きに来てくれた方に満足してもらうために意識していることがいくつかあります。

まず、一番大切なのは、事前の打ち合わせしないことです。

なぜかというと、打ち合わせをしてしまうと、話の展開を知っている状態で話をすることになり、緊張感とリアリティが無くなってしまうからです。

初対面の人であっても、名刺交換程度に留めて、できるだけ本番まで会話しないようにする。相手からすれば、どんな質問が飛んでくるかわからず、不安になるかもしれませんが、それが意外な回答や話題につながって、観ている人たちの興味を高めていくのです。

2つ目は、時間配分を意識し過ぎないことです。1時間でテーマが5つあったら、12分ずつ杓子定規に時間配分しているモデレーターがいますが、それでは面白くありません。盛り上がらない話題は、早々にスキップして、面白そうなディスカッションが始まったら、その話題を深掘りしていく。時間が押して来たら、後半のテーマを時間短縮する。内容にメリハリを付けることで、全体の中で印象的な議論を提供することができます。

そして、せっかく登壇してくれた人がいるのですから、その人からここでしか聞けないを意識するようにします。一般論よりも、登壇者のパーソナルな経験のような情報を引き出すことで、書籍などではわからない登壇者の考え方や個性を浮かび上がらせることができると思っています。

手前味噌ですが、この日も、4人の個性がぶつかり合って、個人的にはとても面白い展開になったと感じました。もしかしたら、会場の中で私が一番楽しんでいたかもしれません。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年10月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。