12日の『斉藤一美のニュースワイドSAKIDORI』という文化放送の番組で、行政事業レビューについて解説した。しかし、キャスターからの質問を聞いて、行政事業レビューについて、一般に知られていないと感じるしかなかった。
この機会に行政事業レビューについて説明しよう。
政府は税金を使って事業を推進する。国民としては、本当に必要な事業だけを、ちゃんと効果を上げるように、効率的に実施して欲しい。そんな国民の声に応えて、事業の必要性・有効性・効率性を検証する仕組みが行政事業レビューである。
政府が進める約5,000のすべての事業について点検するが、春のレビューは各省単位で実施し、秋のレビューは行政改革推進本部で実施する。だから、秋のテーマには行政改革担当大臣の意思が出る。
僕ら評価者は事前に河野太郎大臣と意見を交換した。その際、大臣は行政の縦割りを取り上げたいとして「相対的貧困の子ども」を例にあげた。相対的貧困なので生活保護の対象にはならない。そんな家庭の子どもが学校に通っても、その子の貧困には教員は関わらない。縦割り行政のせいで、厚生労働省からも文部科学省からも外れているのが、「相対的貧困の子ども」対策である。11月12日と13日に「シングルペアレンツ問題」が取り上げられるのは、河野大臣の意向である。
レビューされた各事業には「現状のまま」から「抜本的改善」までの結論が出る。約5,000のすべての事業について、評価者に提供された基礎情報、レビューでの議論の内容、そして結論が公開されている。
レビューの結論は財務省による予算査定に反映される。だから、レビューは言いっ放しの儀式ではない。
秋のレビューは11月12日から15日まで実施される。ネット中継もあるので、ぜひ、視聴していただきたい。