新型コロナ軽症者用療養ホテル利用可能室数は1910室。都職員の激務も

 

連日過去最多の感染者数が報告されてり、都民の皆様におかれましては不安な日々を送られていると思います。すでにご活用されているとは思いますが、東京都の新型コロナウイルスにかかる情報はこちらになります。

新型コロナウイルス感染症対策サイト

秋冬に向けて、空気も乾燥し気温も下がってくることから感染者数は急増するであろうことは世界中の専門家が指摘していたことであり、都民の健康を守るために事前に先の第三回定例会において文書質問をしておりました。ことは急ぐと思いますので概要を都民の皆様にお示ししたいと思います。

軽症者向け宿泊療養施設の状況

事業実施から現時点までにおいて、過不足ないか充足状況を確認しておりました。宿泊療養施設は、区部及び多摩地域の合計9施設で3,251室を借上げています。宿泊施設は部屋を消毒しながら利用する都合上、確保した部屋がすべて使用できるわけでもなくホテル従業員や出向してる東京都職員への感染防止のためにゾーニングや事務局ブースなどの利用部分を除き、今日現在の実質の受入れ可能数は…

1,910室

であります。

私が確認した10月9日時点の入所者数は、238人で受入れ可能数に占める割合は、12.5%でしたが、現在719名で、37.6%となっています。

小池知事はことあるごとにホテル療養施設は3000室を確保と記者会見などで答えおり、都民のみなさまは分母がわからないので、東京都コロナサイトの宿泊療養者数をみてまだまだ大丈夫とおもわれているのではないか?と実際の数字をお示しさせて頂きました。

緊急事態宣言以降、ホテル療養施設をいったん解約してしまい、再契約した経緯も夏場にありましたことから、今後の運用、賃貸契約の延長や終了についても念のため確認したところ「冬季には再び感染者数が増加することも懸念されていることから、引き続き現状の施設規模を維持」するということで今日に至っております。

豊洲市場でもクラスタと都民に疑われても仕方のない100名以上の陽性者がでており、今後3000人規模の検査がこなされるなか、発症はしていなくても療養施設に行かざるを得ない陽性者を鑑みると予断を許さない状況です。

政府のGo To トラベル事業から当初除外され後塵を拝した小池知事は、待ってましたと都内観光促進事業「もっと楽しもうTokyo Tokyo」事業を鳴り物入りで補正予算で緊急可決したものの、昨今の状況を鑑み11月25日に一時停止となっています。

このような中、不足しかねない療養施設を鑑み都内ホテルを借り上げて経済支援の一助とすれば一石二鳥というご意見も頂戴してはおりますが、ことはそう簡単に進まない実態があったのです。

療養施設ホテル内の実態と状況

宿泊療養を行っているホテルではいったいどのような運用になっているか?
私は兼ねてより注目をしており調べておりました。
気になるその実態は…

◆人員体制
→健康観察は医師や看護師が行い、食事の配膳や清掃などの生活支援は都の職員やホテル従業員が対応。

◆医師・看護師について
→東京都医師会や大学病院、都立・公社病院、健康長寿医療センター等に派遣を依頼。

◆東京都職員については
→施設の規模や運営体制により異なるが、日中は10人程度が勤務している施設が多く、ホテル従業員の人数は業務内容など日によって変動。

◆感染防止対策は?
→防護服の着用が必要な業務に従事する職員及びホテル従業員には、事前に防護服の着脱訓練を含めた研修を実施。

◆施設内の状況は?
→清潔区域と汚染区域を区分けしており、職員等は極力清潔区域内で活動し、清潔区域を出る際は、入所者と時間差を設けることや、必要な防護具を装着するなどの対応。

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東京都職員が通常作業をこなしながら感染リスクと背中合わせになりながら働いている実態が浮かび上がりました。

【通常業務と療養ホテル対応をこなす東京都職員】

当初は、感染症対策に奔走する福祉保健局職員を中心に、療養施設対応をしていましたが、次第に人員不足は明白となります。そこで、お姐は福祉保健局以外からコロナ対策事業に兼任・応援・支援・派遣されている他局の職員の全容について業務内容、職務権限、当該業務にあたる時間数と、本来業務との調整及び影響や時間外勤務の状況について確認しましたところ…

◆人員体制
都は、新型コロナウイルス感染症対策として、各局等と調整の上で全庁的な応援体制を構築しており、本年10月1日現在、福祉保健局感染症対策部には、各局等からの応援による兼務・併任職員が

管理職37名、一般職員117名、計154名在籍!!

◆兼務・併任職員
各課に配属され、各課長等の指示のもと、部の庶務事務、防疫業務、保健所支援業務、検査関連業務、医療機関との調整業務、宿泊療養施設の運営業務などの各種業務に従事(配属の状況は別紙のとおり)

◆兼務等の期間中
兼務・併任元と感染症対策部の双方の業務に従事する場合と、感染症対策部の業務に専任で従事する場合がある。ただ、双方の業務に従事する時間数は職員や時期によって様々であることから、一律には把握していない。

◆超過勤務時間(お姐注:平たくいうと残業時間)
一般職の兼務・併任職員の超過勤務時間は、

令和2年8月実績では、一人平均30.7時間。

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お姐は、交通局、水道局、下水道局を所管する公営企業委員会に所属していますが、その部長クラスが午前中に支援業務のために療養施設立ち寄ってから午後に都庁に戻り通常業務をこなしていたりしております。

福祉保健局職員であっても例えば保育施設でトラブルが発生して急な対応をお願いしたかった際も、担当課長が数日療養施設支援に従事していることから、すぐに連絡がとれないなどということも、私自身にも発生し、相談者の都民をお待たせするなどのことが数件ありました。

予想通り、東京都職員に大きな心身の負担が強いられていることが明らかになったのであります。
このようなことからも、今後安易に療養施設を増やすためにホテル借り上げが出来ない実態が、皆様にも想像頂けると思います。

【お姐総括!】

今年の2月からお姐は再三再四にわたって、小池百合子東京都知事の毎々の遅きに失したコロナ対策を指摘してまいりました。

小池知事、政府に「緊急事態宣言」要請をして下さい 2020.3.27

遅きに失したコロナ対策を補うがことし知事露出広告費の気になる内訳 2020.6.27

毎回、その「失策」を補うがごとく、大手広告代理店に大枚はたいて、CMで埋め合わせ、記者につめよられればヨコモジで煙にまいたり、やった感出すための、虹ステッカーやTシャツ、著名人を書きあつめた実態のない会議体(モニタイング会議、第二派アドバイザリーボード、東京版CDC…)を豊洲問題と同じく立ち上に余念がなく、なんとかここまで切り抜けてきましが、もうその手は桑名の焼き蛤!

現時点の重症者は61名ですが、政府基準に照らし合わせると250名です!!
ホテル施設も3000室ではなく1910室です!!!

都民はもう数字のトリックには騙されませんよ!
そして思い付きやった感、「小池百合子」という政治家のPRのために、これ以上東京都職員を振り回して疲弊させないで下さい!!

改めて、このような約束された未来を想定しながらも、給料は半額!とさんざん宣伝しながらも、給料満額換算での退職金3500万円をうけとっていたことは看過も風化もさせてはいけないのであります!


編集部より:この記事は東京都議会議員、上田令子氏(江戸川区選出)のブログ2020年11月28日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は上田氏の公式ブログ「お姐が行く!」をご覧ください。