2日深夜から国内ツイッタートレンドに入った #中央区だったら懲罰されていた が、教育委員会の任命に関する問題、および若手議員のツイッター発信に関する表現の自由に関する問題として、大きく注目されています。
東京都中央区議会にて3日懲罰動議を受けたのは、あたらしい党所属の高橋元気議員。教育委員会任命に関する違和感をツイートにて発信したところ議会より注意を受け、それに服することがなかったため懲罰動議に至りました。
懲罰動議発議者は墨谷浩一議員(公明)、磯野忠議員(自民)、渡部博年議員、渡辺恵子議員(立民)の4名。高橋氏が教育委員会委員の選定に対し、議決では賛成していたのに、SNSでプロセスに対する批判を述べたのが発議理由。3日の中央区議会にて、本件は賛成多数で可決となりました。
■
教育委員の任命は首長が議会の合意の上で任命することになっており、首長の意向に沿うメンバーの選出自体は制度の意図通りです。学校関係OBを中心に、元地域医師会会長や住職など地元名士顔役が選出されることが多く、地域によっては落選議員の受け皿となることもあるようです。
教育委員は名誉職的位置づけが強いと同時に、地域教育に関して強い権限を持つ実務組織となっています。このように高齢メンバー中心で構成されれば自ずと先取の気質なく、前例踏襲型になっていきます。
元より高橋元気議員はデジタル教育推進と現役世代の政治参加を訴えて当選した経緯があり、たびたび中央区の教育改革が他区に比べ遅いと憂慮していました。この問題提起は投票した区民の意思を代表しているともいえます。
現役教員 MAZIPON氏に取材したところ、教育委員の任命に関して以下ように指摘しました。
教育のICT化など現代的な課題については、後期高齢者にある方よりも現役世代のほうが治験に明るいこともあります。教育委員の任命に関しても考慮されるべきではないか、という主張は何ら不自然ではありません。教育の独自性を担保するためにも、首長が教育委員を任命するに至った経緯は説明できるべきではないでしょうか。
議員の立場で行政の決定について問題提起をしていくのは民主主義のプロセスとして重要です。その前提で議決で賛成した以上は所感を述べてはならないとなれば、言論は矮小化するのではないでしょうか。
この懲罰動議は表現の自由に対する挑戦、議会多数派による抑えつけだとして、あたらしい党代表 音喜多駿 参議院議員を始め、日本維新の会 松本ときひろ弁護士/品川区議会議員らも取り上げ、ツイッター発信力で有名な荻野稔 大田区議会議員によるハッシュタグ考案、ゴルフ党党首 立花孝志氏の傍聴参加表明などで大きな話題となりました。
このような従来型の内輪向き政治の和を乱す新人議員への懲罰動議は、他の地方自治体でも散見されますが、東京23区においてはめずらしいことと言われております。
高橋元気議員は当選以降、ツイッターやYoutubeで若い世代が身近に感じられる政治をテーマに積極的に発信し、新型コロナウィルスに関する中央区の取り組みをまとめた動画など、区民へのアウトリーチに熱心に取り組んできました。
このことは度々議会から注意を受けていましたが、区民にとって有益だったことは高橋議員に寄せられる区民の声からも伝わってきます。
銀座や日本橋など、まさに日本の中心ともいえる「中央区」で、このような表現の自由の後退があったことは大変残念なことです。