コロナ禍はチャンス!と考え、敢えて出店する飲食店

12月に入って東京の繁華街にある飲食店が、次々と閉店しています。大型の商業施設にテナントとして入っているお店も例外ではありません。

書入れ時に自粛要請で客足が止まり、資金繰りに目処が立たなくなったり、早めの撤退を考えて閉店に踏み切ったのだと思います。櫛の歯が欠けたように空き店舗が増え、テナント募集中の張り紙を見ると、やはり何とも寂しい気持ちになります。

その一方で、コロナウィルス感染拡大をチャンスと考え、このタイミングで出店を始める飲食店も出てきています。

私の家の近くにある飲食スペースには、以前は洋風の惣菜を看板メニューにする人気店が入っていました。とても気に入って毎日のように愛用し、懇親会にも何度も使っていたのですが、コロナ渦の中、突如として閉店してしまいました。東京ミッドタウンに移転して営業しているようです。

ずっと空いていたそのスペースに、最近日本蕎麦のお店が進出してきました。

日本酒の品ぞろえもなかなかで、お酒のつまみも充実。もり蕎麦も繊細な味わいで良かったです(写真)。

個人がやっているというより、どこかの飲食チェーンの経営のような雰囲気。話を聞いていると、どうやら運営主体はアパレルが本業の会社のようです。オーナーのそば好きが高じて出店を始めたようですが、まもなく六本木ヒルズにも2店舗目を出すそうです。

マーケット環境の変化によって、撤退する会社もあれば、新しいプレイヤーも参入してくる。そのような新陳代謝のサイクルによって、新しい業態やビジネスが生まれるのが、資本主義経済のダイナミズムです。

コロナ渦という事実は1つ。

それをピンチと捉え身動きが取れないのを悲観するだけなのか、それともチャンスと捉え積極的にアクションを開始するのか。

事実は1つ、解釈は無限です。

逆境下で、あえてチャレンジする新しいお店を、なんだか応援したくなってきました。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年12月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。