コロナ拡大の冬。歯科受診はどうする?

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冬の寒さも本格的になる中、新型コロナウィルスの感染者数は増え続けています。これは従来型のコロナウィルスやインフルエンザと同様、新型コロナウィルスもまた冬に流行するということが明らかになったことを意味します。

各種統計を突合するとGoto等の人の移動は感染拡大に影響しないものの、単純に冬になり、寒くなり、空気が乾燥して呼吸器の免疫能力の低下が起こり、流行しているものと考えるのが自然です。

実際に私も9月にGo To キャンペーンを利用して超過密の観光地を目撃しましたが、新規感染者数は低いままでした。そうであれば季節性インフルエンザと同様に、1月をピークに3月頃には鎮静化してくると見立てることもできます。

しかし理由は何であれ感染者数が増加すれば、いずれ再度の緊急事態宣言の可能性も高まってきます。年末も近づき駆け込み歯科受診も増える中、歯科医師の立場からこの冬の受診についてどうすれば良いかまとめます。

1. ハイリスク者の検診、寒いうちは要検討

新型コロナウィルスが重症化するのは70代以上の高齢者と有病者です。特に呼吸器系の持病や、糖尿病・白血病といった免疫能力が低下する持病を持つ方は注意すべきです。これらのハイリスク者は感染する機会を減らしたほうが良いため、あえて寒い時期にリスクを冒して検診を受ける必要はありません。

検診というのは、歯に関する痛みや腫れがなく、入れ歯の調子もよいが、虫歯や早期発見や予防的処置を目的に受診するものです。年末年始の休み前は例年受診が多くなりますが、今年は温かくなった春頃にしたほうがよさそうです。

万が一正月の間に痛みが出てしまったとしても、各自治体もしくは歯科医師会のホームページにて休日当番歯科医院の案内がでています。小規模クリニックが多い歯科では、地域の歯科医師会が割り振りをして日曜祝日に緊急対応する歯科医院を設定しています。

初めて行く歯医者は不安かもしれませんが、休日当番の場合はかかりつけ歯科医の方針を尊重して応急処置に徹するという申し合わせがあります。いつもの歯医者に悪いのではないか、と気にしてくださる方もおられますが、休日当番はかかりつけ歯科医に戻ることを前提として業界団体の中で作ったルールです。安心して利用していただければと思います。

2. 虫歯や歯肉の腫れがある人は受診する

万が一の緊急事態宣言が出たとしても、虫歯や歯肉の腫れ、入れ歯の不調がある人は、通常通りすぐ受診をしましょう。

前回の緊急事態宣言の時も同様にアナウンスしていましたが、残念ながら十分に伝わっていたとは言えず、「歯科は怖いから痛いのを我慢していた」「もう限界だから来た」という患者さんは多かったです。

歯科医院は常日頃より感染対策に関しては十分な理解と配慮の下で診療しており、当初言われていたものとは裏腹に、これまで歯科でのクラスター発生はほとんどありませんでした

痛み等があれば受診するというのは、ハイリスク者であっても変わりませんが、心配ならば電話でかかりつけ歯科医にアドバイスを貰うと良いでしょう。

3. 歯周病や入れ歯で管理をしている人も受診する

歯周病や入れ歯の定期的な受診は、原則的に継続しましょう。これは定期的な受診という行動は同じでも、検診ではなく治療の一環です

歯医者は患者さんの体質やプラークコントロールの水準、入れ歯の設計や使用状況を考慮して、多すぎず少なすぎない受診間隔を設定しています。前回の緊急事態宣言の折には、この受診間隔が大幅に空いてしまったために、歯周病や入れ歯の状態がかなり悪くなってしまった患者さんが多くおられました。

一方歯周病や入れ歯の患者さんは高齢の方に多いため、1,のハイリスク者と重複する場合も多いと考えられます。そういう時こそ、普段から体質と病状を理解しているかかりつけ歯科医に電話でアドバイスを求めると良いでしょう。各々の状態にあわせた個別の判断をしてこそ、歯医者の仕事と心得ています。

断りなく受診を長期中断するのではなく、電話で情報共有できていればお互いに安心です。

まとめ

以上から、今現在歯医者で虫歯治療を受けている人は、例え緊急事態宣言があったとしても受診は継続するのが原則になってくると思われます。歯科治療のほとんどは時間とともに悪化し、進行すると取り返しがつかなくなるため、「不要不急」には該当しません

このように冬になると感染拡大するというパターンが分かった以上、今後はハイリスク者に関しては冬以外の季節に受診を済ませておくほうが良いのかもしれません。

しかし現実には既に冬になってしまっています。その中で「これまで不安で来なかったが、悪くなってしまった」と来院する高齢の方は多くおられます。

歯や歯肉、入れ歯に問題があれば受診するほうが良いですが、不安な場合はかかりつけ歯科医に電話で確認する。もしもの場合は休日当番歯科医院で年末年始も対応できる。このように考えて、不安のない年越しにしていただければ良いかと思います。