三菱UFJ銀行に半沢頭取が誕生するという、人気テレビドラマを連想させるような報道が話題になっています。
堺雅人が主人公を演じるTVドラマ「半沢直樹」の原作者は、実は三菱UFJ銀行の半沢頭取と同期。銀行員時代に何かを感じて主人公に「半沢」と言いう名前をつけたのだと想像します。そうなると「直樹」の由来が、どうにも気になります。
それはともかく、半沢頭取は副頭取や常務を13人抜きの昇格。年次も大幅に若返り、従来の年功序列の慣習を打ち破ることになります。入行年次が絶対条件だった銀行人事が、大きく変わるきっかけといえます。
三菱UFJ銀行以外の金融機関でも経営陣の若返りが進んでいます。日本経済新聞には、住友生命、りそな、SMBC日興証券などの金融機関の経営トップの若返り事例が掲載されています。
これを見ていると、いよいよ1980年代後半に入社した私と同じ世代の人たちがトップに立ち、金融機関を引っ張っていくことかわかります。
年次に関係ない実力主義で人事制度を導入するのは、そうしなければ金融機関自体の存在が危うい時代に入ったからです。単に若ければ良いという訳ではありませんが、実力を反映した人事を断行しなければならないお尻に火がついた状態になったということでしょう。
未だに紙の書類と印鑑、そして対面での対応に依存している非効率な金融機関の経営は、逆に言えば改善の余地が大きく、ドラスティックな改革に成功すれば大きな伸びしろがあります。
金融緩和の長期化や資金需要の低迷など経営環境は決して楽ではありませんが、若返った経営陣が大胆な政策をとり、低迷する日本の金融機関を大きく変革することを期待します!
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年12月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。