峠を越した、と思っておられる方が多いだろうが、峠の先に何が待っているかは、まだ分からない。
秘書の壁があるので、安倍前総理まで届かなかったのはそれなりに理解するが、検察当局の不起訴処分の理由が嫌疑不十分だった、ということが分かったのはよかったと思う。
早く幕引きしたい方々は、昨日の記者会見と衆参両院の議院運営委員会での質疑で十分だということにしたいだろうが、皆さんの目論見通りには行かない可能性が高い。
検察当局はそれなりに周到な捜査を遂げたつもりだろうが、今回の件について強制捜査をした形跡はどこにもなさそうだから、検察の捜査にどこか緩いところがあったのではないか、という批判が出て来る余地がある。
不起訴処分だから、いずれ検察審査会への審査申立ての対象にはなる。
少なくとも、現時点で世論が曲りなりにでも納得したとは言えないだろう。
胸の痞えが一向に取れない、いつまでも腹に落ちないな、というところか。
国会の議事録訂正の申立てをしたり、衆参両院の議院運営委員会で謝罪したからといって、それで禊をしたことにはならない。
国民の審判を受けるまでは、この問題は終わらない、と思っておかれた方がいい。
自民党や公明党の国会議員の方々は、いずれこの問題についてどう考えているか答えを迫られる時が来るはずである。
特に衆議院選挙に出ようとしている方々は、年初早々から様々なアンケート・ラッシュに見舞われるだろう。
これにどう答えるのか、ということは、結構難しい。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2020年12月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。