初売りに箱根駅伝と、コロナ禍ながらも新春ムードに包まれていた正月2日、東京都の小池百合子知事ら、千葉、神奈川、埼玉県の1都3県の各知事が内閣府で西村康稔経済再生担当相と面会、政府に緊急事態宣言の発令を要請した。
東京、神奈川など首都圏でコロナ重症患者を引き受けている病院では重症病床が不足、医療体制がひっ迫した状態にあるのは事実であり、緊急事態宣言の発令要請については、野党議員を中心に支持する声があがった。
立憲民主党の枝野幸男代表は、「野党に加え地元自治体も明確な意思を示し、緊急事態宣言を『出さない理由』はありません」とツイート。
ネットでも、
「箱根駅伝の箱根駅伝の沿道のあの人出を見たら緊急事態宣言も仕方ない」
「早く緊急事態宣言出さないと、医師も看護師さんもパンクしちゃう」
などの意見が見られた。
反対意見は
「前回の緊急事態宣言は意味あったの?感染拡大を抑えられたの?ただ経済を潰してるだけだった」
「医療従事者以上に、イベント・観光・飲食は限界です」
「小売や飲食だけ割を食うような施策はもうあまり従ってくれないのでは」
一方、ネット上で最も目立ったのは、大晦日に東京の感染者数が1337人と過去最多を更新した直後の絶妙なタイミングで政府に要請を仕掛けるという、小池知事らしいパフォーマンスを批判する声。ネット上には、「小池劇場新春公演」との揶揄も。
舛添要一前都知事は、「小池都知事は、皆にいい顔をし、自ら批判の矢面に立たず、国に責任転嫁の緊急事態宣言発令要請だ。この人気取り知事では都民の命は守れない」と批判した。
作家、ジャーナリストの門田隆将氏も、「女史の“パフォーマンス”のために緊急事態宣言など出されたらたまったものではない。これ以上、経済を殺して自殺者を増やすつもりか」。
弁護士で東京大学理事(病院担当)の境田正樹氏は、緊急寄稿「新型コロナ 緊急事態宣言は回避できないのか」で、医療体制を整えるために必要な政治的決断は、緊急事態宣言ではなく、医療界への損失補填だと指摘している。
新型コロナウィルス発生から約1年が経過し、そのなかで、全国民が緊急事態宣言による苦しみを体験する中で、重症患者を受け入れている医療機関が、国民生活の最後の砦であるということ、そしてその医療機関の健全のために公的資金を医療機関に提供することが、ひいては、全国民に裨益することについては、私は大多数の国民から理解を得られるものと確信しています。