「小池都知事 吉村府知事…全国知事のコロナ対策ワーストは?」という『週刊女性』の元日記事に私も登場して、知事のランキングや寸評が掲載されている(電子版には、関連図表は載っていない。非常にいい資料なのに残念。)
週刊誌の記事はしっかりしたものだが、早とちりする人は、タイトルの「?」の部分抜きに理解したり、あるいは、一緒に登場する片山善博・早稲田大学大学院教授(元鳥取県知事)のコメントと私のコメントを混同したりしているので、少し戸惑っている。
記事中で私の意見として載っているのは、
「10万人あたりの感染者数、死亡者数、重症者数の3指標に加えて、”近隣県との比較”、”経済を過度に萎縮させてないか”、”同規模自治体との比較”、”医療体制”を考慮すると高評価は鳥取県です。県と市の連携がよい大分県、きめ細かい医療体制の和歌山県、新潟県、島根県、香川県、長野県、山梨県なども評価できます」「(沖縄県については)観光地だとしても言い訳にならない。大都市圏の京都府は沖縄ほどひどくない。医療体制の充実、クラスター発生後に休業要請を出すなど、リーダーとして迅速な対応ができていません」
という部分だけで、それと、非常に詳しいデータが載っている図表の内容(タイトルなどは別)については監修者として責任を持てるものだ。
この週刊女性の記事についての詳しい説明は、選挙ドットコムに私が書いた、『コロナ対策:47都道府県知事の通信簿』という記事に載せてあるので、読んで頂ければと思うが、その一部だけを紹介しておく。
陣頭指揮型の官僚出身知事が健闘
感染度ランキングは、周辺とか同条件の都道府県と比べて評価されるべきだが、ワースト10は、沖縄、東京、大阪、北海道、神奈川、兵庫、埼玉、愛知、京都だ。一方、いいのは、鳥取、新潟、秋田、山形、長崎、島根、香川、大分、佐賀、長野だ。
とくに、鳥取県はいまだ、死者ゼロである。また、鳥取県は、対策の中身をみても模範的だ。
和歌山県については、仁坂吉伸知事が陣頭指揮して、非常にきめ細かに医療対応が行われている。「新型コロナウィルス感染症対策(その44) ‐大阪が危ない。日本も危ない」というメッセージを、ぜひ、読んで欲しい。私が役所に入ったときの指導教官(同じポストの二年生)だが、緻密で冷静で常識にとらわれないキャラクターが最もいい形で発揮されている。
また、上手にやっている県では、県と市町村の協力が非常にうまくいっている。大分市では、第一波のときに、感染者が出た風俗店の名前をただちに明らかにしたので、見事に追跡ができ押さえ込めた。その後も、PCR検査も円滑に行われており、上記の和歌山県知事と同じく、陽性者が出たら押さえ込むという作業が緻密に行われているので拡がらず、九州の周辺県と比べてもいい数字が出ている。
香川県も四国のなかでもっとも数字が良いが、これもスピード重視で押さえ込む姿勢の成果だ。島根県も鳥取県と同様にうまくいっている。
新潟県も死者がその後、3人出ているが、12月9日の段階ではゼロだったし、周辺と比べても突出して良好だ。かつて、新型インフルエンザ対策でドライブスルー方式でのPCR検査を行うなど意識が進んだ県である。
秋田あたりは、数字はいいのだが、帰省するなとか極度に防衛一本槍の結果であって、はたして、それでいいのか疑問も感じる。
沖縄の数字は論外。対策も後手に回りっぱなし。北海道も二度にわたり全国的な汚染スポットになっている。観光地だからというが、日本最大の観光都市京都の数字が周辺府県と比べてまずますなのだから、あまり関連性はないのだ。
全般的にいうと、やはり官僚出身の知事、しかも、どっしりした調整型でなく、陣頭指揮型の知事のところがうまくやっているという印象だ。
医療界のモラルハザードにあきれ果てる
東京都の感染者数が大晦日の1337人に比べて元日は大幅減の783人だった。本当にこんな急激に減っているはずがないわけで、医療サイドが検査をサボっていると言うだけのこである。
のんきに正月休みを取って医療が機能していないということである。これまでのように週末は少しというくらいなら我慢できるが、長い正月休みの空白は冗談でない。
緊急事態宣言しろとか言う前に、検査くらいちゃんとするように小池知事は医療界に要請すべきだ。
初詣の参拝者数は、地方は激減し、東京などはあまり減らず。帰省することをやめて代わりに初詣に行った人が多いと言うだけのことでは無いのか?自分たちが毎年通り優雅に休みたいから、医療崩壊等と騒ぎ、何の根拠もなくGoToキャンペーンが原因だと騒いだ医師会は万死に値する。
医療崩壊は医師のモラル崩壊に過ぎない。「医療関係者に感謝」ではなく、「コロナ医療関係者に感謝」と言い換えないと問題の本質を誤解し、医療界を甘やかすだけだ。