1月4日11時。菅義偉総理大臣の年頭会見。
そもそも4日は設定されていた会見で、その直前になって小池百合子知事はじめ4都県知事が国へ緊急事態宣言発出を要請。ここから事態が展開して迎えた総理会見でした。実際に、菅総理は会見で「緊急事態宣言」に言及。メディアも一気に緊急事態宣言モードに突入しました。私が各所を年明けから当たっている感じだと、当初は菅内閣は急ぎの「宣言」は視野に入れていなかった模様でした。
テレビ各局も緊急事態宣言の賛否について一斉に報じる
それからというもの、番組によっては、菅総理が小池知事がと引き続き、国と都の対立を煽るかのような雰囲気作りが行われています。外形的にも内実も、小池知事が仕掛けた動きであるのは間違いありません。しかし、営業時間短縮を21時閉店とした大阪市と22時閉店としていた東京都の違いは確かにあります。
それは、首都・東京の繁華街事情もあります。東京都人口は約1400万人で、それぞれの繁華街に近隣各県からも人が集まります。お客さんだけでなく、従業員もそうですし、経営者が他県からやってきます。隣接の神奈川は横浜・川崎市域への要請、大阪と言ってもこれは大阪市域、北海道も札幌市内やすすきの地区という限定エリアです。東京は人流が多く、拠点が多いのでエリア限定が行政的に判断出来なかった事が22時時短よりも大きな東京特有の課題だと考えています。
仮想敵作りなのか?
第一波の時、緊急事態宣言が発出される前から小池知事やマスコミは「夜の街」「歌舞伎町」「ホストクラブ」という形で、事実上のエリアや対象を絞ってきました。実際に歌舞伎町と池袋はPCRに集中検査を実施し、クラスター潰しに保健所も努力をしたのは言うまでもありません。でも、東京には銀座、六本木、渋谷、上野、錦糸町、吉祥寺、立川、八王子、町田などなど繁華街と言われる拠点が沢山あります。私はブログやYouTubeの発信で「悪者作り」は根本的な対策にならないと訴えてきたのでした。
未だに「夜の街」「歌舞伎町」「ホストクラブ」というキーワードを私に対して口にする方がいます。つまり、そこが危ないから、それ以外のお店なら大丈夫でしょうって。私は繰り返し説明しています。今は、それらが感染経路になっているという事例は極めて少ないですよ。普段の飲食店での自身の行動、もし仮に自分が感染しているかもという前提で家庭内で過ごして下さいと言い続けているわけです。そう思っている方、色々な街、色々な飲食店に広がっている現状です。
政治家が何をするか?
コロナ禍の政策は正解はどこにあるか分かりません。もし正解があれば、世界中の誰もがやっています。欧米のようにロックダウンという厳しい行動制限をかけるか、台湾のように徹底的に封じ込めていくのか、目に見えないウイルスとの戦いを一年も続けても見えてこないゴール。
だからこそ、原点に返って、私達の行動に何が必要かを冷静に見つめる、感染症研究者によって示されてきた1つ1つの注意点を実行しなくてはなりません。その上で、有権者の代表である為政者が「判断する(泥を被る)」重みから逃げてはいけないと思うのです。今ほど政治家の存在が重要であるのに存在感が見えない。これはこの国にとって決して良い事ではありません。
私は地方議員です。近年「ポピュリズム」の手法をとる改革派首長という方々が登場しましたが、選挙で選ばれたことを絶対視の雰囲気を醸し出し、有権者から首長への白紙委任を受けたという立場をとり、緊急性を錦の御旗に議会承認なども後回しに動き出すリーダーは真の「リーダー」なのか悩んでいます。今回、4知事が西村大臣に要請したニュースがきっかけで世間が動き出したわけですが、そもそもの前提はどうだったのだろうかと。
上記に記した酒類提供店やカラオケ店に出していた時短営業要請も小池知事は都内全域への要請でした。22時時短の時点で、多くの店舗経営者からクレームを受けていたのです。「行政が自分達で感染防止策を示したから、その対策をする為に設備投資もしている。実際に昨年からクラスターにもなっていない。これで営業するなはヒドイ。時短要請を聞くところが馬鹿を見るなんておかしい。」こんな事を言われたのです。設備投資も、換気システムなどの大掛かりに手を付けたところは金額も3桁万円です。
そもそも論として「お店が営業しているから人は行く。ならお店を閉めよう。」こんな行政の考えは安易です。だから、私は国や都に対して、営業目安となる感染防止策の目標設定を行うべきだと訴えてきたのです。虹色ステッカーと呼ばれる東京都の感染防止徹底宣言ステッカーも自己申告制。東京都はただその数を増やす事に専念し、その中身についての精査には手をつけてきませんでした。ですので年末の議会でも、都が責任持って、対策内容を整備して欲しいと本会議場で強く要望したのでした。
飲食店、飲食店、飲食店・・・
そして出てきた20時時間短縮要請。連休明けの1月12日から31日までは「飲食店」全てが対象となりました。本当にこれが最適解なのか。十把握一絡げはルールを決める方は楽かもしれません。人の「感染機会」を減らすという意味では有効かもしれません。
これだと、1人ご飯をどうするか?お店がダメなら、友人宅でという若者にどんなメッセージを出すのか?そもそも、時短要請範囲内の飲食(例えばランチとか)は良いという間違ったメッセージになるわけです。もっと大切な事は店側だけでなく利用者側へも伝えていかなければならないと思うのです。
いずれにしても、このコロナとの戦いは総力戦です。これまで、メディアや為政者達に悪者にされてきた若者が主役の世界を描き出す事をしてこられなかった役人達の机上の空論を、リアルを肌で感じる私達がどう打破するか。そして、その先に、全世代・全業界に笑顔を取り戻していかなければなりません。感染予防対策をした店舗の営業権を奪うならば、その手当をどうするかなどの課題は多々あります。そして、その後ろには沢山の業界の方々が控えています。まだまだ、言いたい事を言いながら、政策も遂行していきます。