トランプを罷免しないとアメリカの騒動は収まらない、菅首相は大局的見地を!

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トランプ氏の支持者が、議会を占拠して大統領選挙の開票手続きを暴力でもって阻止しようとする動きに出ることを懸念していたが、日本時間7日、懸念していた通りの事態が現出した。

4時間かけてようやく議会占拠者たちの一群を排除出来たようだが、アメリカの民主主義の基盤が実に弱いという現実を世界中に露呈してしまった。

警察による排除の過程で少なくとも4名の死者と多数の負傷者を出しているようだから、アメリカの政治史に残る最大の汚点の一つになることは間違いない。

一種のクーデターである。

どうやら未遂に終わってくれるようだが、アメリカの統治が現時点で如何に難しくなっているのか、を端的に示すような事件である。

トランプ大統領の一連の言動がこの暴動の引き金になったことは間違いないだろう。

目下のアメリカは、世界の中でも最も弱い立場に置かれた指導者に導かれている大国だと言っていいだろう。

全米製造者協会(NAM)がペンス副大統領に対してトランプ大統領の罷免を検討するよう求めた、というニュースが流れてきたが、アメリカ憲法修正25条の発動が求められるほどに今のアメリカは危機的状態に直面しているということである。

トランプ大統領には、この混乱を自らの行動で収める重大な責任がある。

トランプ大統領が真の愛国者なら、何らかの行動に出るはずだが、さて、どういうことになるのか。

日本の状況からも目を放せなくなっているが、世界に大きな影響を与えるのはやはりアメリカの動向だろう。

今日が、アメリカが普通の国になっていくスタートの日になってくれればいいのだが・・・

そして、ようやくアメリカの大統領選の勝者が確定した。

これでトランプ大統領の気まぐれやしばしば垣間見る狂気から免れ、アメリカが正常化の道を辿ってくれればいいのだが・・・。

バイデン大統領の就任までまだ2週間あるから、この間にトランプ現大統領が取り返しのつかないような愚かなことをしないように切に祈っている。

菅さんもフランスの大統領に倣ってバイデン氏に何らかのメッセージを発した方がよかったと思うが、菅さんも官邸も緊急事態宣言のことに気を取られてそれ以外のことにまで気が回らなかったのだろう。

まあ、今の状況では仕方がないのかなと思わないでもないが、残念なことは残念だ。

何とか菅さんには、大局を見ていただきたいと願っている。

今の菅さんには、すべてのことについてどこか内向きで、俯き加減なところがある。

下を向いてしまうから、大局が見えなくなっているのではないか。

アメリカの大統領選が今日で正式に決着したのであれば、世界は再び協調への道を歩むはずである。

日本の出方次第では、日本が世界の協調路線の先導役を担うことが出来るようになるかも知れない。

菅さんには、顔を上げて、もっと世界に目を向けていただきたいものである。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2021年1月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。