コロナ対策のための第三次補正予算が国会を通過しました。第一次補正予算は4月末、第二次補正予算は6月上旬に成立しています。
私のブログを見直してみると、それぞれについてコメントをしています。
「不十分で的外れなコロナ対策・第一次補正予算」
「まだまだ不十分なコロナ対策・第二次補正予算」
そして今回は、今までにない規模での感染の第3波が襲来し、多くの都道府県が緊急事態宣言下にある中での補正予算なわけですが、過去2回以上に的外れで、必要なところにはお金の届かない腹立たしい内容であると言わざるをえません。
なぜこの時期まで補正予算を組まなかったのか?
まず、夏あたりから、冬になったら例年でも風邪やインフルエンザが流行るのだから、コロナの感染者は増えてしまうと、誰もが言っていた中で、その予想通り、感染者急増の波がきました。全く想定外ではありません。感染者数の減った夏のうちに、この波に備えなければなりませんでした。
それなのに、6月に急いで国会を閉じた後、11月に新内閣のお披露目をした程度でまた国会を閉じてしまい、追加でコロナ対策を打つこともありませんでした。再三、追加対策を求めてきたにも関わらず、半年以上ほとんど何もしなかったわけです。本来であれば、この第三波を迎える前、秋に、冬を見越した補正予算を組むべきでした。
これまでの間違いを反省していない
政府が行うべきコロナ対策の柱は、医療体制強化と経済的支援です。
これまでの政府の主要経済対策の一つは、旅行や大人数の会食を政府が奨励するGoTo事業であり、コロナ対策と逆行していることが指摘されてきました。
「GoToをやればやるほど、感染者が増えてしまう。」
「違う方法で経済的支援をするべきだ。」
と再三指摘があったにも関わらず、今回の補正予算は、幅広い事業者向けの持続化給付金やテナント家賃給付金などの重要施策は打ち切り、GoTo事業は追加で巨額の予算を計上するというものでした。
これまでもこのGoTo事業は与党幹部の利権なので中止にできないんだという指摘がありましたが、(『Go Toキャンペーン受託団体が二階幹事長らに4200万円献金』)この国難も自分達の利権のために利用する。こんなことが許されるでしょうか?
これまでやってこなかったことの反省もしていない
医療体制を強化しなければ、コロナ感染者を収容できなくなり、医療崩壊が起きてしまうとうことは、一年前から言われていました。多くの指摘に対し、政府は、やっていますという回答のみです。
しかし、報道されているように、コストのかかるコロナ向けベッド数はむしろ減り、また、コストの穴埋めのために、医療従事者の多くの方のボーナスが減らされてしまっています。
現場に行かない偉い爺さん達が、無責任な指令だけはして、必要な物資は送らない。そして現場の頑張りで何とか切り抜けさせようとしている。わが国の歴史の失敗のパターンがまた繰り返されています。
あるべき案を提示しても聞き入れない
我々は、予算の審議の度に、あるべき予算の案を示してきました。しかし、今回も、その予算案が採用されることはありませんでした。
第3次補正予算案組替動議概要
コロナからこの国を救うための内閣であるはず
そもそもスガ内閣は、コロナから国民を救うための特命を受けた内閣です。しかし、総裁選の際から、このコロナで廃業数も過去最高を記録しているのに、わざわざ更に中小企業を淘汰させて生産性を上げるだとか、外国との往来を止めないといけないのに、外国人観光客を大幅に増やして6000万人呼び込む目標堅持とか、明らかに的外れの政策を掲げていました。
それに対して突っ込むことも無く、スガさんをパンケーキだ、たたき上げだと礼賛し、しきりに盛り上げていた自民党議員やマスコミの方々は、プロとしての仕事をしているのか、猛省をうながします。
これからやるべきこと
そもそもこれまでも、国民が求めていることを、我々が案を作り、政府に飲んでもらい実現するということを繰り返してきました。
(野党が提案しなかったらこれらは実現しなかったわけで、今でも、野党は提案せず批判しかしていないと言っているコメンテーターは、事実でないことを何らかの理由でわざと言っているとしか考えられません。)
今後すみやかに、医療従事者やその周辺の方々への給付金を更に厚く幅広くまた簡潔にし、政府が打ち切った家計が苦しい方々、事業者向けへの給付金は復活し、また更なる充実をはかり、医療体制の強化と、困っている家計や事業者への財政的支援を強化していかなくてはなりません。
提言を続けていきます。
この危機に、こんな政治の状況は、本当にダメです!
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落合 貴之(おちあい・たかゆき) 衆議院議員(立憲民主党、東京6区)
1979年、東京生まれ。慶應義塾大学経済学部卒、元株式会社三井住友銀行 行員、立憲民主党 政調副会長。