東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の失言癖は有名なところですが、また大炎上しています。
森喜朗会長は3日、東京都内で開かれた日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議員会で、競技団体で女性理事の任用が進められていることについて、「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」と話しました。
「女性がたくさん入っている会議は時間かかる」森喜朗氏:朝日新聞デジタル
時代錯誤も甚だしい女性蔑視発言に、波紋が広がっています。
立憲民主党の蓮舫氏は、ここぞとばかりに、「その意識の方々で今夏のオリンピック対応を?」とコメント。
弁護士でもある山添拓参議院議員(日本共産党・東京選挙区)は、「IOCは東京五輪のジェンダー平等を謳っている。その開催をめざす国の、恥ずべき現状」と切り捨てました。
2日の会合でも「コロナがどういう形であろうと必ずやる」と発言するなど五輪開催に異様なほどに固執している森会長ですが、まちづくり専門家の木下斉さんは、「全力でオリンピックも潰しに行ってる」。
日本文学研究者のロバートキャンベル氏は、男性ばかりの忖度の場に新しい風など吹くわけがないと批判しています。
作家の橘玲氏は、「年寄りは話が長い、横柄だ、すぐに切れる、ボケている、というステレオタイプも」と、森会長への強烈な皮肉とも取れるツイート。
昭和、平成、令和と世の中は変わっているのです。内閣府男女共同参画局のサイトには、こう書かれています。
IOCが2014年に採択したオリンピック改革案の「オリンピック・アジェンダ2020」において,男女平等の推進として,「女性の参加率50%の実現」と「男女混合の団体種目の採用の奨励」が目標に掲げられた。2020年東京大会ではこの方針に基づき,男女混合種目が新たに採用されることなどにより9,女性の参加率が過去最高となる見込みである。また,前述のブライトン・プラス・ヘルシンキ2014宣言では,スポーツにおける女性のリーダーシップの発揮等が謳われており,2020年東京大会のレガシー(遺産)の一つとして,スポーツ団体の女性役員の登用やスポーツ界におけるダイバーシティ推進等の取組が進むことが期待されている
悲願の東京五輪開催に向けて「走り続ける」森会長ですが、「大会のレガシーとして期待されている女性役員の登用」について、このような蔑視発言をするようでは、先行きはいよいよ明るくありません。
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アゴラ編集部