本当の実力が問われるのは平時ではなく「有事」

2月14日は13時から恵比寿でセミナーが開催される予定になっていました。12時半過ぎに会場に到着すると、主催者の会場セットアップ担当者から、定刻の13時からの開催が機材トラブルで難しくなったと言われました。

画面を見ると、始まっていないセミナー画面が「このウェビナーは終了しました」と表示されており、13時から予定通り始めるとWebからの視聴を申し込んだ方が見られなくなってしまいます。

そこで、急遽13時から開始予定だった60分の講演を、14時からに繰り下げることにしました。私は時間調整可能で問題無かったのですが、問題は受講される方々です。会場の方には、現地スタッフが一人一人に丁寧に謝罪と説明をし、可能であれば1時間後に会場に戻ってきてくださいとご案内をしていました。

問題はWebからの視聴者です。会場の方の20倍以上の申込があり、迅速に対応しないと大きなクレームになりかねません。

主催者のスタッフが手分けをして、ウェブで申し込んだネット参加者の人たちに、迅速にお詫びメールを全員配信。メールを見ないで、問い合わせのあった人たちには、電話やメールで丁寧に対応していたようです。

14時からのセミナーは1時間遅れになりましたが、いつもの通り失敗しない不動産投資の具体的方法をしっかりお話することができました。

今回のようなトラブルは、対応を間違えると会社の信用を大きく損ねますが、トラブル対応をしっかりすることによって、逆に信頼感を高めるきっかけにもできます。

営業の仕事をしている人で、クレームから始まったクライアントが最終的にお得意様になったという経験をしている人は多いと思います。

つまり、トラブルは対応次第でむしろ仕事の成果に結びつけることができる。ピンチはチャンスと言うわけです。

平時には誰でもできることが、有事になると対応力によって大きな差が付いてくる。これは、コロナウイルス感染拡大というピンチへの対応でも同じです。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年2月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。