橋本聖子五輪相で会長候補の一本化?
東京五輪組織委の新会長として、橋本聖子五輪相(56歳)が候補として一本化されたと、17日に報道された。新会長の条件として「男女平等、多様性などの実現」「五輪パラへの深い造詣」「国際感覚」などが挙げられていたが、橋本氏がそれに合致するからだろうか。森喜朗前会長の「女性蔑視発言」があり、新会長には「女性を」との声もあったが、それに配慮してのものだろうか。
もちろん「女性」ということだけでなく、橋本氏はスピードスケートや自転車競技で夏冬のオリンピック日本代表として出場した経験があるし、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会理事を務めてきた。安倍政権の時から女性活躍担当大臣も兼任している。IOCのトーマス・ バッハ会長とも、橋本氏は良好な関係を築いていることも、会長候補として一本化された理由かもしれない。
橋本氏に感じる不安
しかし、私は橋本氏の過去に不安を感じる。同氏が、日本スケート連盟会長だった2014年のソチ五輪の時に、フィギュアスケート男子の高橋大輔選手に「キス強要」したと『週刊文春』で報じられたことが頭をよぎるのだ。当時、高橋氏自身は、これについては「パワハラ、セクハラとは思っていない」と語っているし、橋本氏も「キスを強制した事実はありません」とするコメントを発表している。両者ともパワハラ・セクハラを否定しているのだから、それで良いのかもしれないが、この「セクハラ疑惑」は既に海外に拡散し、ネットでキス写真が出回っている状態だ。
橋本氏が新会長に就任すれば、この「セクハラ疑惑」を国内外から突かれる可能性が高い。そうなると、またややこしいことになって、最悪の場合、最終的には会長を辞任することになるのではないか。会長候補には橋本氏の他に、組織委の小谷実可子スポーツディレクター(54)、日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長(63)の名があがっている。一体、会長は誰になるのか。2月18日には発表されるようだが、度重なる会長の辞任劇だけはもう見たくない。