こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
2月18日は朝から予定されていた衆議院・予算委員会が長時間ストップするなど、大荒れの模様でした。
原因はくだんの週刊誌報道。
菅総理の息子が勤務する関連会社が総務省官僚を接待していた問題で、総務省側は「接待は受けたが、業務の話はしていない」という説明に終止をしていました。
ある意味、ここに彼らは「防衛ライン」を引いていたわけです。
ところが週刊誌が実際の会話音声を公開したことにより、これが虚偽、少なくとも不正確・不十分な説明で逃げようとしていたことが明らかになりました。
これはもう、ルールに抵触して不正接待を享受していたのは勿論のこと、総務省の危機管理対応は下の下であると厳しく断じざるを得ません。
問題が起きた時は、自分たちに不都合な点でも「ここまでさらけ出すのか」というくらい積極的に公開するのは危機管理対応の鉄則です。
後から新事実が出てくれば、これほど心象を阻害することはないからです。
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その典型事例が安倍政権下で起きた「森友問題」で、国会答弁において一部官僚が問題を大きくさせまいと、公文書の改ざんにまで手を染めてしまいました。
結果、現在におけるまでいわゆる「忖度」によって行政手続きが歪められた事実は確認されていないものの、多くの国民は納得ができないままになっています。
森友事件には勿論、大小様々な問題はありましたが、一部関係者たちが誤魔化そう・隠そうとせず誠実に対応すれば、ここまで尾を引くことはなかったかもしれません。
今回の総務省官僚に対する不正接待疑惑も、もちろん不正接待はNGという前提の元、その接待によって実際の行政施策が歪められたかどうかが最大の焦点です。
そこについて総務省は説明を尽くさねばならない立場なのに、初手の段階で嘘をついた・あるいは不正確・不十分な説明をしてしまった。
こうなれば、
「不正接待によって、総務省の行政施策に何か変更が生じたのではないか」
「さらにその変更には、菅総理の息子への『忖度』が働いているのではないか」
「つまり、菅総理の責任は重い!」
という疑惑を払拭することは非常に困難です。
「なかった」ことを証明するハードルは、それでなくても極めて高いものだからです。
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いずれに致しましても、実際に不正接待によって行政施策が歪められたのか、そこには菅総理息子というファクターはどこまで関わっているのか、この点については詳細な調査報告をもって、我々も厳しく追及していきます。
その結果、「歪んでいた」という結果もありえますし、「歪んでいなかった」としてもその主張に納得してもらうのは極めて難しい。
その中で危惧するのは、この問題に国会審議が集中するあまり、また審議拒否が横行したり、他の政策課題について生産性のある議論ができなくなることです。
問題は問題として、私たちは「審議拒否」は行うことなく、泥沼化を避けるために最大限の努力をし、正面から問題の本質(行政施策が歪められたのか否か)を問うてまいります。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2021年2月18日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。