世田谷モデル失敗から学べ:必要なのはPCR検査より具体的な予防策

世田谷区議会は明後日24日から代表質問と一般質問が行われる。私ひえしまの登壇は25日(木)の11時50分くらいから(当日のネット中継はコチラ)。内容は①新型コロナワクチン接種の準備状況について。②コロナ禍における感染防止策の具体的な指導について。③ファミリー・サポート・センター事業について、の3つ。

世田谷区議会サイトより

ワクチン接種については、保坂区長が常々、「国の方針がコロコロ変わって準備できない」と苦言を呈しておられるので、まず世田谷区の現状を確認したい。トップが政府の文句ばかり言っているので、区民は不安に思っている。もっと住民を安心させる情報発信の仕方はないものだろうか。果たして、自治体で出来ることはすべて実行できているのか。練馬区をはじめ他区では、身近なかかりつけ医で可能な「個別接種」を柱に計画しているのに、なぜ世田谷区はできないのか。決められた区の施設で行う「集団接種」のみに固執している理由は何か、などを質したい。

先週17日、NHK「クローズアップ現代+」で、各自治体のPCR検査の取り組みについて放映された。世田谷区も取り上げられていたが、介護施設などに月1回3カ月間というように漫然と検査するよりも、対象を絞り込み、1週間に1回くらいの頻度で実施しなければ封じ込めにはならない、という専門家の指摘があった。これはかねてより、私もしつこく指摘してきた通りである。“世田谷モデル”が失敗していることは、もはや言い尽くした感があるのでここでは繰り返さないが、最近、私が特に注意したいと思うのは、福祉施設や飲食店での感染防止策である。

感染防止策については、あちこちで言われているのでもう聞き飽きたし、誰もが実践していると思われがちだが、万全と思われる福祉施設や飲食店からも陽性者が出てしまう。それはなぜか。視察に行ってわかったことは、たしかに皆さん、意識は高いし、手指はもちろん、器具の消毒など予防策を講じてはいる。しかし、それが「我流」に陥っている嫌いがあるのだ。テーブルの拭き方ひとつを取っても、専門家に言わせれば正しいやり方がある。換気もしているが、窓は一つしかない。パーテーションも立てているが、お客の口元に届いていない等々、いろいろ不備が見つかるものである。

そこで、区がいくつかモデルケースを示し、もっと細かくアドバイスするべきだと思う。ゾーニングが必要な場合などは助成制度もあるので、その周知徹底も肝要である。感染拡大防止のポイントは、PCR検査に過剰に頼るのではなく、日頃の「正しい」予防の実践に他ならない。③ファミリー・サポート・事業については、コロナ禍での利用会員、援助会員双方の現況と、電子マネー決済を提案したい。