(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)
米国のバイデン大統領が中国共産党政権の独裁や弾圧に対して「それぞれの国の文化」と述べて理解を示唆したことが、米国内で激しい反発の波紋を広げている。
中国の習近平国家主席と電話会談をした直後の発言だったこともあり、同大統領が中国に対してトランプ前大統領とはまったく異なる融和の認識を抱いていることの例証とも受け取られている。
人権弾圧は「それぞれの国の文化」?
バイデン大統領は2月16日、ウィスコンシン州ミルウォーキー市で市民との対話集会に出席し、同10日に中国の習近平国家主席と電話で会談した内容などについて語った。CNNテレビが報道した集会での発言は、以下のような内容だった。
「米国としては、中国当局の香港での抑圧、台湾への威迫、ウイグルでの虐殺的な工作などの人権弾圧に抗議をしていくことを習近平主席にも伝えた」
「しかし習近平主席としては、中国は団結して堅固に管理される国家でなければならない。それを正当化するために(人権弾圧など)その種の行動をとるのだろう」