Rock&Popsのリマインダー/1985年

「ポピュラー音楽のリマインダー」は、今回からは「Rock&Popsのリマインダー」とタイトルを一部変更してお届けしたいと思います。内容としては、これまでにアップしてきたような個別の「アーティスト」や「アルバム」をピックアップする記事に加えて、過去の特定の年のヒット曲をピックアップする記事をアップしていきたいと思います。今回はその1回目、1985年のヒット曲をピックアップします。

gazanfer/iStock

さて、1985年と言えば、80年代の真っただ中、アフリカの飢餓を救うため、米国の最高峰のアーティスト達がUSA for Africaを結成しました。

[U.S.A. For Africa (Official Video)]

7月13日には20世紀最大のチャリティーコンサートであるLIVE AIDが英・米で開催されました。

[Live Aid (Official Video)]

時代はMTV、80年代ポップスが全盛を迎えるとともに、マドンナ、ホイットニー・ヒューストンといった新星が登場しました。

以下、Billboadの1985年のチャートを参考にヒット曲を厳選して紹介したいと思います。

■97 All She Wants to Do Is Dance/Don Henley
イーグルスのドン・ヘイリーによる80年代フォーマットのワイルドなアメリカン・ロックです。

■92 Born in the U.S.A./Bruce Springsteen
ブルース・スプリングスティーンのロック魂が炸裂した渾身の一作です。

■88 California Girls / David Lee Roth
デイヴィッド・リー・ロスがツアーガイドを務めるおバカ満点のPVです(笑)

■85 Who’s Holding Donna Now / DeBarge
70~80年代にありがちな落ち着いた雰囲気のロマンティックなバラッドです。

■79 Some Like It Hot / Power Station
英国製のニューウェーヴなファンク・ロックです。

■77 Too Late for Goodbyes / Julian Lennon
『ヘイ・ジュード』で歌われたジュリアン君のクールなポップです。

■76 Freedom / Wham!
アイドル路線全開のジョージ・マイケル作品です。

■75 Walking on Sunshine / Katrina and the Waves
耳に残って離れないご機嫌な旋律を繰り返すモーダルなポップです。素晴らしい。

■74 Summer Of ’69 / Bryan Adams
「昔は良かった」的な青春爆発系でちょっと苦手ですが、結構好きです(笑)

■72 No More Lonely Nights / Paul McCartney
ポールらしい曲調と歌唱のバラッドです。仲間のリチャード・スターキーもPVに出てきます!

■67 Glory Days / Bruce Springsteen
ブルース・スプリングスティーンがハートランド・ロックの神髄を魅せてくれています。

■64 Don’t Lose My Number / Phil Collins
前出のカリフォルニア・ガールズのデイヴィッド・リー・ロスをおちょくったPVが最高です(笑)

■62 Smooth Operator / Sade
ソフィスティ・ポップの代表曲ともいえる洗練されたラテン調のポップです。

■61 Axel F / Harold Faltermeyer
映画『ビバリーヒルズ・コップ』のテーマ曲は素晴らしいフュージョンです。

■60 Head over Heels / Tears for Fears
深刻な表情で歌っている割には、おバカで無理がある展開のPVが大好きです(笑)

■58 Material Girl / Madonna
この曲こそマドンナの神髄です!今じゃポリコレに引っかかるでしょ(笑)

■57 We Don’t Need Another Hero (Thunderdome) / Tina Turner
独自の異質な世界を創ってしまうティナ・ターナーのカリズマ性は偉大です。

■55 If You Love Somebody Set Them Free / Sting
スティングの悲壮感たっぷりな恋愛教科書です(笑)

■51 Raspberry Beret / Prince and The Revolution
プリンスのドギついサイケです!退廃感が素晴らしいです。

■47 You Give Good Love / Whitney Houston
この年に彗星のように現れたホイットニー。歌唱スタイルが時代に合いましたね~

■46 Strut / Sheena Easton
どんな曲でも完璧に歌い上げてしまうシーナ・イーストンは本当に偉大です。

■45 Sussudio / Phil Collins
出せばヒットするこの年はフィル・コリンズにとって間違いなくキャリアハイでした。

■43 Freeway of Love / Aretha Franklin
エラ・フィッツジェラルドに対抗できるのはホントに彼女しかいませんね~。
二人とも同じ曲を二度と同じ歌い方ができない点が共通しています(笑)

■35 A View to a Kill / Duran Duran
第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンの象徴的な曲です。

■33 One More Night / Phil Collins
1度と言わずに何度でも繰り返してほしい素敵な16ビートのバラッドです。

■32 Rhythm of the Night / DeBarge
素晴らしいビート!めちゃくちゃご機嫌な究極のノリのデバージで~す!!!

■24 Heaven / Bryan Adams
ブライアン・アダムスによる総立ち必至の最高のロック・バラッドです!

■23 Saving All My Love For You / Whitney Houston
ホイットニー・ヒューストンの曲の中で私はこの曲が最高だと思います。
スタート→盛り上がり→爆発→エンディングの起承転結は見事すぎます。

■22 Part-Time Lover / Stevie Wonder
ポップ色が強いこの曲も、スティーヴィーにかかれば、深いビートを持った一級のソウルになります。

■21 Shout / Tears for Fears
どんなときも悲壮感たっぷりの表情で歯を剥き出しに歌うこの人達の一貫性に心は強く揺さぶられます(笑)

■20 We Are the World / USA for Africa
80年代最高のアーティスト達による20世紀最大の究極のコラボでありバトルであったと言えます。僅か1~2小説のフレーズをそれぞれ独自のスタイルで表現したこんな濃密なセッションは他にありません。この曲の歌唱のすべてのフレーズが聞きどころと言えます。

■19 The Heat Is On / Glenn Frey
映画『ビバリーヒルズ・コップ』の挿入曲です。元イーグルスのグレン・フライの”Tell me can you feel it”×3のクールなフレーズとテナーサックスのリフが印象的ですね。

■18 St. Elmo’s Fire (Man in Motion) / John Parr
ワイルドなヴォーカルで元気づけられる青春映画『セント・エルモス・ファイアー』のテーマ曲です。この時代、映画のテーマ曲がよくヒットしています。

■17 Cherish / Kool & the Gang
クール&ザ・ギャングのロマンティックなバラッドです。結婚行進曲として多用されているそうです(笑)

■16 Don’t You (Forget About Me) / Simple Minds
80年代にありがちなフォーマットのこのシンセ・ポップ曲は青春映画『ブレックファスト・クラブ』のテーマ曲です。やっぱり安定したドラムが最大の構成要素ですね。

■15 The Power of Love / Huey Lewis and the News
80年代を代表する映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のテーマ曲です。ドクとデロリアンも登場するPVは米・地方都市のクラブの雰囲気満点です。シンセとベースが奏でるハッピーなイントロとヒューイ・ルイスの握り拳がたまりませ~ん!

■14 We Built This City / Starship
この曲は米音楽雑誌『Blender』が選ぶ「50の恐ろしいほどに史上最悪の曲」の栄えある1位に選ばれました。歌詞が誇大妄想でクサいことを除けば最高の曲なんですけどね~。少なくとも私は大好きです(笑)

■13 Can’t Fight This Feeling / REO Speedwagon
REOスピードワゴンのソフト・ロックです。人生のアブストラクトのような素敵なPVです。

■12 Easy Lover / Philip Bailey and Phil Collins
人類最強ファルセットのフィリップ・ベイリーがフィル・コリンズと共演したキャッチ―なポップです。本当に素晴らしい!

■11 Everytime You Go Away / Paul Young
ホール&オーツのカヴァー、最高のブルー・アイド・ソウルです。R&Bのテイスト満点のビートとワイルドな声質がたまりませ~ん。

■10 Take On Me / a-ha
MTV時代の大傑作PVです!シンセ・ポップの美しい旋律のイントロから始まるドラマティックな展開が最高です。音楽と映像の素敵すぎる融合です。

■09 Crazy for You / Madonna
ファンの方には本当に申し訳ないのですが、マドンナの熱唱はあんま趣味じゃないです(笑)

■08 Money for Nothing / Dire Straits
このPVもMTV時代の傑作です。なんとMTVを批判したPVがMTVでガンガン流れて大ヒットしたのです。当時最新鋭の3DCGにルーツ・ロックの組み合わせが究極のミスマッチで最高でした(笑)

■07 Everybody Wants to Rule the World / Tears for Fears
無機的なシンセ・ポップのフォーマットにちょっとこもったクセのある歌い方がミスマッチしていつの間にか耳に残るところがこのグループの絶妙のスタイルですね。

■06 Out of Touch / Hall & Oates
こちらも刻むドラムに各エレメントが美しく乗りかかるシンセ・ポップです。ダリル・ホールの完璧に制御された高音の美しさが冴えるブルー・アイド・ソウルが炸裂しています。

■05 I Feel for You / Chaka Khan
プリンスのカヴァーです。チャカ・カーン最大のヒットとなったこのパフォーマンスこそ、ごく普通のポップ・ミュージックのファンがヒップホップを受け入れるきっかけになったと思います。

■04 I Want to Know What Love Is / Foreigner
これぞビートのハッキリした美しいメロディーが心を揺さぶる80年代のドラマティックなソフト・ロックの名作です!

■03 Wake Me Up Before You Go-Go / Wham!
80年代のハッピーでノーてんきな社会の一面がしっかり現れた曲です。照れを一切伴わない軟弱さがたまらなく大好きで~す(笑)

■02 Like a Virgin / Madonna
「ライカヴァージン ヘ~イ」に尽きます。ポリコレのかけらもなく素晴らしいです(笑)

■01 Careless Whisper / Wham!
No.1曲に対して大変失礼ですが、辛気臭くてあんまり好きじゃないんですよね~(笑)

翌年のグラミー賞の最優秀レコード賞と最優秀楽曲賞は”We are the world”、最優秀アルバム賞はフィル・コリンズの”No Jacket Required”、最優秀新人賞はシャーデーでした。

次回は1975年にデロリアンのタイム・マシーンの時刻を合わせました。
1985年を起点に、時代を行き来しながら楽しみたいと思います。


編集部より:この記事は「マスメディア報道のメソドロジー」2021年2月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はマスメディア報道のメソドロジーをご覧ください。