環境税が地方の家計を直撃する 特に寒冷地は要注意

杉山 大志

環境税の導入の是非が政府審議会で議論されている。この夏には中間報告が出る予定だ。

もしも導入されるとなると、産業部門は国際競争にさらされているから、家庭部門の負担が大きくならざるを得ないだろう。実際に欧州諸国ではそのようになっている。

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ではどの地方の負担が大きくなるだろうか。

市町村単位での世帯当たりCO2排出量の推計値を見ると、以下の特徴が分かる

  • 都市より農村で多い。
  • 寒冷地で多い。

この結果、東京・大阪などの都市部に比べて、北海道・東北などの農村部では、世帯あたりのCO2排出量が倍になっている。

図中赤く塗られているところが世帯あたり5トン以上のCO2を出しているところだ。

5トンのCO2を出している世帯は、仮に1トンCO2あたり5000円の環境税になるとして、負担は年間2万5千円になる。

環境税が導入されるとなると、過疎化や高齢化が進む北海道や東北などの地方にとって、特に重い負担になりそうだ。寒冷地の方は要注意である。

地球温暖化のファクトフルネス