以前、米国のメディアは分断されており、共和党寄りのFox News等と、民主党系のCNN、MSNBC、ABC、CBS、およびNBC等に分かれていて、有権者はそれぞれ自分の属する党派のニュースが正しいと信じる傾向にあることを紹介した。
また、米国の共和党側は、決して科学に無知なのではなく、十分に情報を得たうえで気候危機説を否定していることも紹介した。
以下では、ラスムセンレポートとハートランドインスティテュートが実施したアンケート結果を紹介しよう。2,000人の有権者に対する全国調査である。
- 有権者のお気に入りのテレビニュースと、気候変動に関する基本的な事実の理解との間には強い相関関係がある。
- 民主党側のCNN、MSNBC、ABC、CBS、およびNBCの視聴者は、現在のペースでCO2排出が続くと、人類は100年以内に「気候変動のために絶滅する」と考えている人が多い。共和党側のFox Newsの視聴者およびテレビニュースを見ない人ではこれは少ない。
- 民主党側のMSNBCの視聴者の58%、ABC、CBS、NBCの視聴者の半数以上が、人類は1世紀以内にほぼ絶滅するかもしれない、と考えている。
- 民主党側のCNNとMSNBCの視聴者の約4分の1は、気候変動により人類が50年以内に絶滅するかもしれない、と考えている。
- 民主党側のCNNとMSNBCの視聴者は、共和党側のFox News等の視聴者と比較して、1850年代以降に発生した地球温暖化による気温上昇の大きさを過大評価する傾向にある。
- CNNの視聴者の65%パーセントとMSNBCの視聴者の67%が気温上昇を少なくとも4割は過大評価している。CNNとMSNBCの視聴者の3割以上は気温上昇を観測結果の2倍以上も過大評価している。
- ABC、CBS、NBCの視聴者も、地球温暖化を過大評価する傾向にある。10人に6人は、温暖化の傾向を過大評価していた。
- ケーブルニュースを視聴していない回答者や共和党側のFoxNews等の視聴者は、1850年代以降に発生した気温上昇の量をやや正しく推定できる。正答率は4割だった。これに対してCNN、MSNBC、ABC、CBS、NBCの視聴者の正答率はこれよりも低く3割だった。
- 有権者の55%は、気候変動は主に人間によって引き起こされていると考えているが、45%は、長期的な地球の自然な変動が主な原因であると考えている。
まとめると、民主党側のメディアが気候危機説を煽っているために、民主党支持者は気温上昇を現実以上に過大に認識しており、地球温暖化が急速に進む結果として人類は絶滅の危機に直面していると思っているようだ。
日本でもこのような調査をやってみたら、〇〇〇の視聴者はどう思っているのか、知りたいところだ。
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