東京都のコロナ過剰規制による自殺者激増は誰の責任か

緊急事態宣言を出す状況ではないのにますます規制を強める不思議

東京都の小池都知事の規制がいよいよ狂気を帯びてきました。
いまの東京の状況ですが・・・

profeta/iStock

陽性率は5.4%

新規陽性者数は448人で完全にピークアウトしています。

街の人出は「もういい加減にしてくれ」と、緊急事態宣言発令前に戻っています。しかし感染は収束しているので、人出の規制と感染拡大にはなんら関係がありません。

昨日現在
新規陽性者数 448人
陽性率    5.4%

本日はなんと260人です!!!

2回目の緊急事態宣言が発令された1月7日は

新規陽性者数 2520人
陽性率    14.5%

3回目の緊急事態宣言が発令された4/25は

新規陽性者数 635人
陽性率    6.0%

ですので、東京の現状は緊急事態宣言を出すにはほど遠い事態である事が分かります。重症はたったの77人で第2波のピークの半分です。沖縄と変わらない。
それなのに

感染拡大と百貨店の豪奢品売り場の閉鎖要請は何の関係もないことはデータで分かる


贅沢品の販売はやめろ。さらには

小池都知事、企業に午後8時までの終業要請 コロナ対策

都は夜間の人出が増えれば、繁華街での飲食機会の増加などを通じた感染拡大のリスクが高まるとみている。

ということなので、まずは宴会でクラスターを出した厚労省、都庁はもちろん、不要不急の娯楽番組を流しているテレビ局にはまず要請をしていただけるんですよね。夜8時以降の放送は不要です。ついでに電気も水道もコンビニもガスもGSもみんな止めてもらおうじゃないか。まさか都庁は午後8時以降もOKで一般にだけ強いるってことじゃないですよね。小池さん。

経済を殺すと失業、倒産で自殺者が増加することを 完全にスルーする上級国民

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「緊急事態宣言」はもう効かない、より強力な私権制限に踏み切れ国家が守るべきは国民の命と健康、極端な私権保護の呪縛を解け

要するに「コロナを抑えるには国民の権利などかまってはいられない。保証も要らないからとにかく規制しろ」ということらしい。どんな人なのかと思って略歴をみたら

森田朗(もりた・あきら)
一般社団法人次世代基盤政策研究所(NFI)代表理事。東京大学名誉教授
1976年東京大学法学部卒業、同大学院法学政治学研究科教授、同公共政策大学院院長、国立社会保障・人口問題研究所所長、津田塾大学総合政策学部教授、研究開発法人科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発センター(RISTEX)センター長(非常勤)などを歴任。財務省関税・外国為替等審議会会長代理、総務省政策評価審議会会長代理、厚生労働省中央社会保険医療協議会(中医協)元会長。

元国立社会保障・人口問題研究所所長って・・・・日本の少子化をここまで野放しにしてまったく食い止められなかった張本人ではないですか。いま70歳というが、この人の原稿には1文字たりとも「その厳しい私的制限による経済破壊で生じる死者の増加」は触れられていない。

経済死を考えない規制論者はまともとは言えない

こうした主張をする人たちは専門家を含めて絶対にここには触れない。命が大事と言いながら、目の前にあるのは高齢者(それもおそらく自分の命)であって、そのためには他人が死んでもかまわないのである。
わたしは昨年の春からずっと、こうした総量規制を続けるならコロナで死ぬ人より現役自殺者のほうが上回るはずという主張をしてきた。

コロナ不況でいったい何人が自殺するのか、野村総研の景気予測から数値を出してみてぶったまげる

コロナの過剰対応がコロナの死者の何倍もの現役を殺しはじめたことを政治家やマスコミは認識しろ

なぜ女子や子供がどんどん自殺しているのにリベラルやフェミニストは立ち上がらないのか


ネットに限らずいろいろな嫌がらせも受けた。ほとんどが「コロナを甘く見るな」的なものであるが、コロナを甘く見るなという連中が経済破壊の影響を甘く見ているのには驚く。


このようにバブル崩壊時には数年後から自殺が急増し、延べで10万人以上増加した。行方不明はその数倍です。今回はバブル崩壊を超えたと言われており、雇用調整金が切れたり、延々と続く飲食店規制でたくさんの人がすでに失職している。

自殺者が10か月連続で増加…4月は1799人、東京は6割増

いまはまず、非正規の女性から解雇されているから女性の自殺者が激増している。今後、ワクチンが普及して感染が下火になったら補助金も打ち切られていくが、生活方式は早々元には戻らない。これ以上、経済を破壊したらバブル崩壊を遥かに超える自殺者が出るだろう。バブル崩壊の場合でも3年後から借り入れを返済できなくなった企業の倒産が相次いで自殺が急増した。

では東京の場合、自殺者の増加分とコロナの死者の関係はどういう感じなのか。ざっとグラフにしてみた。自殺者は警察庁のデータ。コロナの死者については直接の死因がコロナではなくても死後にコロナと判明すればコロナにカウントされる。大阪府ではこれを別に出しており、だいたい2割前後がコロナが直接の死因ではない。よってコロナの死者は8掛けにしました。
しかし実際には東京のコロナの死者の60%が高齢者施設であり、余命が2年以内の人が大半である。先々週にわたしの父が亡くなったが老衰ではあるが肝臓がんを患っていたので死因は肝臓がんになった。同様のケースもたくさんあるはずなので実際には半分程度のような気がするが、データから8掛けとしている。



実は昨年の第2波までは、9月を除いて自殺者の増加の方がコロナ死者を上回っていた。1ヶ月で20~30人しか死なない疾病のために、その2倍の人が自殺していたのである。

それが一転したのが冬の第3波で、冬は空気が乾燥しているため肺の奥まで粒子が届くので肺炎になりやすいという話は聞いたが、もともと気温が低いと抵抗力も落ちる。東京も高齢者施設での施設内感染が炸裂した。この期間は確かに自殺者の増加分より死者のほうが多かった。

しかし3月以降、この差がぐんとつまり、自殺者の増加もあって4月には拮抗した。おそらく5月には死者数も160人程度なので、8掛して120人台。自殺増とコロナ死者数が並び、夏になるとこれが逆転するのは確実だ。しかしこれは肝心なことを忘れている。

自殺者が増えるのはこれからなのです!!!

雇用調整助成金はとりあえず7月までは支払われるが、各企業ともすでに大規模なリストラをしており、わたしのクライアントであったJTBさんも7200人ものリストラをした。雇用調整助成金が終了したらおそらくかなりの数の失業者が出ることになる。

過去30年の日本の統計では失業者が160人増えると自殺が1人増加して景気が回復するまで続く。バブル崩壊の時にこの数字を当てはめるとドンピシャになる。このまま経済破壊が続くと経済破壊による死者はコロナの死者より遥かに多くなる。

よく「なにもしなければコロナではもっと死んでいたはず」という人がいるが、別になにもするなとはひと言も言っていない。非効率な全体規制をかけて経済をブチ壊すのがバカなのであって、死者の6割が高齢者施設なのであるから、全体規制で損失する何十分の1の金で高齢者施設をガードすれば死者はいまより最大6割減るのです。単純に高齢者施設のスタッフと来訪者をその都度抗原検査するだけで6割と言わずとしてもいまよりはずっと死者を減らせる。加えて高齢者の行動制限をすればずっと被害は少なくなるのです。


だって健康な普通の人はほとんど死なない病気なんですよ!!
90代だって亡くなるのは4人に1人しかいない。3人は生還するのです。

かつて岩田プロがもっと厳しく規制をすべきとツイートしているので「それで出る自殺者はどうしますか」と聞いたところ、「どうすればいいのか考えてください」とお返事が来たので「経済を殺さないことです」と答えたらブロックされました。
所詮、専門家ってこんなものかと思いましたよ。自分の目の前のことだけでよく他で亡くなるのは責任外ということです。

いったいいまのアホみたいな規制で失業者がたくさん出て自殺者が爆発した場合、いったい誰が責任を取るんですか。全体規制しろ、もっと厳しくしろという主張でテレビで煽ったみなさんはどう責任を取るのか、いまから考えておいたほうがいいですよ。


編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2021年6月1日の記事より転載させていただきました。