小池マジックに自民×都ファ◎立憲△共産○公明◎

東京都会議員選挙の大勢が明らかになったが、これを6月中旬に流れていたある予想、選挙戦が始まってからのサンデー毎日のものと比較してみよう。結果が頭に書いているもので、括弧内が3週間前の二つの予想である。

Ryosei Watanabe/iStock

自民33(51→51)、公明23(16→22)、維新1(1)、都民ファースト31(13→7)、立憲15(22→19)、共産19(22→21)、その他5(2→5)

こうして見ると劣勢を伝えられてきた都民ファーストが失地の半分くらいを取り戻し、それで割を食ったのが自民だが、立憲もかなり期待を裏切り、共産もそれなりに喰われている。

一方、公明は大苦戦を伝えられていたのが、候補者全員の当選というパーフェクトゲームであった。大勝利である。

低い投票率がどう影響したのだろうか。公明党と都民ファーストが勝利したというのでは、分析しようがない。公明党にとっては、投票率が低かったのが有利だったのだろうか?

しかし、都民ファーストが低い投票率で健闘したのは小池マジックとでもいっておかないと説明できない。

私は、過去の都議会議員選挙を分析してみて、都知事の人気があるかどうかと都議会議員選挙はほとんど関係ないと思っていた。

あの美濃部知事の時代を考えても、美濃部氏の当選が都議会議員選挙における野党勝利を受けたものだったとは言えたが、美濃部支持の当選後に行われた都議選では、美濃部人気の高さにかかわらず、自民党は復調していたのである。

そして、今回も途中まではそのパターンを踏襲していた。しかし、突然に状況が変わったのは、まず、コロナの感染状況がまた上がったことと、小池氏のダウンである。

ともかく、しばらく、小池氏はえらく大人しく、議論の問題でも積極的な発言を避け、政府の主導権にまかせるような気配だった。それが、感染者数が上昇したときに責任から逃れるために有効だった。

それに対して、政府自民党は、そもそもコロナ対策の不備の責任の大きな部分が東京都の責任だといったことを組織的に追及してこなかった。また、小池氏がダウンしたときに、公務もしないで選挙応援だけする可能性を防ぐために、牽制しておくこともおこたった。

また、観客問題も発言を避けるのは実に賢明だった。都民は無観客に傾いているというが、チケットを持っている人も多いわけで、どっちにしても黙っておいた方が得だったからだ。

外国人に対して排他的な立憲民主党などが、不思議なほどそれを露骨に主張する中で、観客問題について発言をしなかった。ひそかに五輪の場での晴れ姿を演出したい小池知事ならではだ。

小池知事が最後の最後になって選挙応援に出てくることなど、予想できたはずだ。与党も野党も、仕事を休んでおいて選挙応援などしないようにと釘を打っておくべきところだった。けれども、それすらしなかった。

政府のワクチン対策も、都議会議員選挙に照準を合わせていなかった。なにしろ選挙の直前になってワクチン不足では、せっかくそれなりに評価されていたワクチン対策も台無しになってしまった。

選挙の前の2週間前くらいは、もう少しアクセルかけたほうがよかった。この2週間だけは、東京でのワクチン接種を優先すべきだった。

それから、選挙戦中における宮内庁長官の発言も、政府与党にとってそれなりの影響を与えただろう。はっきり言って、象徴天皇制の建前からして、選挙の最中に政治的影響があることは間違っても言うべきでない。

前代未聞の民主主義への挑戦であり、憲政史上の不祥事だったと思う。