小山田圭吾氏は、東京オリンピック(五輪)開閉会式の音楽制作を担当しています。
7月14日の就任発表後に、過去の雑誌に掲載された「いじめ行為」が問題視されましたが、音楽の担当を続ける意向です。
小山田氏は謝罪文に
ご指摘頂いております通り、過去の雑誌インタビューにおきまして、学生時代のクラスメイトおよび近隣学校の障がいを持つ方々に対する心ない発言や行為を、当時、反省することなく語っていたことは事実であり、非難されることは当然であると真摯に受け止めております
と事実関係を認めたうえで、辞退する意向はないとのことです。
いつものポリコレ案件と思いきや、小山田氏の「いじめ行為」はかなり問題を含んでいるようです。
「全裸にしてグルグルにひもを巻いてオナニーさしてさ。ウンコを喰わしたりさ。喰わした上にバックドロップしたりさ」
「だけど僕が直接やるわけじゃないんだよ、僕はアイデアを提供するだけ(笑)」
「ロッキング・オン・ジャパン」1994年1月号
「みんなで脱がしてさ。(局部を)出すことなんて(Aさんにとって)別に何でもないことだからさ」「障害がある人とかって図書室にたまる」「きっと逃げ場所なんだけど」
「クイック・ジャパン」1995年8月号
当時も「大河内清輝くん自殺事件」が起こっており、障害者の人へのいじめは社会問題として注目されていました。
ネット上では、今回のオリンピックに相応しい人選というアイロニーが飛び交っています。
MIKIKO先生をパワハラで追い込んで追い出して、その後に犯罪並のいじめで有名な小山田圭吾を据えるとは、東京オリンピック・パラリンピックの集大成感あるな。 https://t.co/A51kyYj8E9
— ゆうなぎ (@sky_walker_1173) July 14, 2021
ひろゆき氏はたしかに悪いことだけれど、何度も蒸し返されることに疑問を呈しています。
小山田圭吾さんの過去いじめ問題がネットで話題になるのは3回目ぐらいのイメージなんだけど、これって10年おきとかにずっと起き続けるのかな、、、
江戸時代とか大正時代なら言わないだろうし、故人だと言わなくなるのかな。。。https://t.co/JbS0jUawIv
— ひろゆき, Hiroyuki Nishimura (@hirox246) July 16, 2021
東浩紀氏は、ネットリンチにたいする危機感を抱いています。
小山田氏の行動が刑事事件として処罰されるならばやむなしと思うけど、ぼくは、とにかく総じて、大昔の発言や行動記録を掘り出してネットで超法規的にリンチするのはよくないと思うので、いくらいじめが嫌いでもこの糾弾には乗れないですね・・・
— 東浩紀 Hiroki Azuma (@hazuma) July 15, 2021
何度も蒸し返される小山田氏の発言に、そもそも選んだほうが悪いという意見は、傾聴に値します。
しかし小山田問題がつらい。
トラウマ持っている人は、騒ぎを見て、どうしてるのか。
私が言いたいのは、彼をオリパラに選ぶ人がいなければ、ニュースもなかった、ということ。
組織委員会も一緒に謝罪するなり、何かけじめをつけるべきではないだろうか。#Yahooニュースhttps://t.co/v83dwKGaHv— 篠田英朗 Hideaki SHINODA (@ShinodaHideaki) July 16, 2021
小山田氏というより、過去に掲載した雑誌が悪いという意見もあります。
小山田圭吾のいじめ発言は、悪趣味ブームだった当時(94〜95年)は別に問題にもならず、 その後だんだん世間の常識が変わってきてからは何度も「これはひどい!」的に掘り起こされてきたという経緯があります。そして、あれは小山田圭吾だけじゃなくて、当時の『QJ』とライターの責任も大きいかと。
— 吉田光雄 (@WORLDJAPAN) July 15, 2021
■
また、過去のいじめによる女子バレー韓国代表の資格停止報道も記憶に新しいところです。
北海道旭川市で死亡しているのが見つかった女子中学生の事件でも、教育委員会は「いじめの疑いがある」と、文春などによる大々的な報道後もいじめは認めていません。
けれども、小山田氏の発言ははるか過去のことですし、刑事事件にもなっていないので、これらと比較するのはフェアではないかもしれません。
論点が複数にまたがり、もはや冷静な議論はできないと思いますが、オリンピック委員会には冷静な対応をしてもらいたいところです。