菅首相、天皇陛下のお言葉の際には起立しましょう

東京五輪の開会式が7月23日、国立競技場で行われた。午後8時にスタートした式は約4時間にわたって行われた。テレビアニメやゲーム楽曲を駆使した式は、オタクや私のようなゲーム世代にはウケるのかもしれないが、それ以外の者にとっては「知らないよ」「退屈」と感じられたのではないか。何より、今回の五輪は東日本大震災からの「復興」を掲げていたのではないか。

私は開会式をずっと見ていたが「復興五輪」という感じには到底思えなかった。被災者からは「復興五輪とは名ばかり」との声もあるというが、開会式を見てその印象を強くした。今回の開会式、全体的に間延びしたような感があり、キリッとしていないように思えた。前回の東京五輪の開会式と比べて、ドラマがないとも感じられた。

菅総理大臣 NHKより

特に気になったのは、出席していた菅首相の態度である。テレビに映ったところしか見ていないが、終始、眠そうな表情。黙祷の場面でも、目をパチパチしていたように見え、しっかりと黙祷していないのではないかと思われた。更に問題に感じたのは、大会名誉総裁を務められる天皇陛下がご起立して開会宣言をされている時の菅首相、そして小池百合子(東京都知事)の態度である。

2人は天皇陛下の宣言を途中まで座って聞いていたのだ。途中で(これはまずい)と思ったのか、2人は急に立ち上がる。その様子がばっちり映像に映し出されていた。天皇陛下のお言葉の前には起立する。これは、大人の常識である。菅首相は一国の首相であり、保守団体「日本会議」の議員連盟にも加わっているのだ。天皇陛下のお言葉の際には、起立するくらいのことは、しっかりとやってほしかった。緊張感が足りていないと言われても仕方ないだろう。

なぜ、2人は起立しなかったのか。開会宣言前のIOC・バッハ会長のスピーチが長すぎた説もある。「長すぎて、眠くなり、頭が回らなかった」というのだ。しかし、私は菅首相の表情は、開会式がスタートした時から眠そうに見えたので、決して、バッハ会長1人の「責任」でもないように思える。首相職が激務なのは理解できるが「どうしてもやりたい」と思って「開催した」五輪なのだろう?菅首相には、もう少し、覇気のある姿を見せてほしかったし、天皇陛下のお言葉の際には起立してほしかった。