今週のつぶやき:なぜ、次々と出てくる過去の話ほか

五輪が始まったようですが、家にテレビはあれどケーブル会社と契約をしていないから映らないし、そもそも観る時間もないのでまったくその様子に接することはなさそうです。過去の五輪もずっとそうでしたので今回も同様です。私個人には縁遠いけれど少なくとも成功裏に終わってもらいたいと思います。終わってから様々な反省点が出てくるでしょう。その総括は重いものになりそうです。その前に重いほどメダルを取ってほしいものです。頑張れ、ニッポン!

RomoloTavani/iStock

では今週のつぶやきをお届けします。

東京市場お休みの間に…

北米の株式市場はこの一週間、上げに上げました。月曜日を底にして見事なV字回復となっています。26日に東京市場が4連休明けで開いた際にはギャップを埋める形で大きく跳ねるのが本来の形ですが、このところの東京のマネーが異様に重いので反応は鈍いかもしれません。とすれば地球をフロートするマネーは決算次第で北米に回帰するかもしれません。

ただ、個人的には危機感を持っています。市場が大きく調整を入れる日は遠くないかもしれないとみています。以前から今年の秋は要注意としてきました。例えばカナダでもっとも時価総額の高いショッピファイは著名IT企業としてカナダの株式指数TSX計算の約8%を構成します。株価は史上最高の2000カナダ㌦を越えてきたのですが、計算上の妥当な株価は1000㌦とされます。それでも指数で買うパッシブ型の投信があるため、否が応でも買われるという皮肉な事実が隠されています。とすれば市場が崩れれば投信の解約で株価は崩落という悪のサイクルが簡単に実現するのです。

一方、日本の場合は主要銘柄の日経平均への寄与度が重くのしかかり、ファーストリテイリングは計算への寄与度が今年、一時13%にもなり、いびつな株価指数を形成する主要な役割を担ってきました。ところが同社の株価は今年2月に11万円程度だったものが現在7万5千円。同様に寄与度の高いソフトバンクGも年初来高値の1万円超から今は7000円ちょっと。寄与度でトップクラスの東京エレクトロンも高値から1割強下げています。これじゃ日経平均は上がらないのです。指数はこういういびつさがあるので日本では個別銘柄が上がり、北米では逆に指数相場となり、個別銘柄で儲けにくいと分析しています。これが最後に歪となって出てくるであろうというのが私の不安ネタでありますがさてさて。

なぜ、次々と出てくる過去の話

「呪われた五輪」とは大会運営で様々な人が「落とされたこと」を指すのでしょうが、五輪関係だけではなく、政治家から著名人まで無茶な落とし方が横行しています。外から見ていても異様な光景としか思えません。というよりこれでは日本には恐ろしくて戻れないと思うのは私は有名でも何でもないけれど社会がひどく歪んでいることに誰も声を上げられない社会に居所を見出しにくく感じるのです。

私はズバリ、こう申し上げます。「国民総文春砲化」ではないかと。とにかく、個人の過去や秘密を暴き、それをネタにSNSやマスコミを通じて拡散し、引きずり下ろすわけです。例えば都議選で無免許運転で事故を起こした都議は辞職勧告を受けていますが、こんなことは粛々とやればいいのです。が、テレビニュースで連日わんわん報道し、ぶつけられた人をインタビューし、過去4回も免停になっていると報じるわけです。そんなこと、どうでもいいのに公共放送の無駄をしているのです。

国会がしばし空転するのも不祥事絡み。ですが、私から見ればそれと国会での議論をごちゃまぜにするレベルの低いバトルは止めよと。もっと国会を聖域とし、高貴な議論を進めないとくだらない不祥事で審議をストップするほど日本に余裕はないはずです。マスコミがごみのような話を面白おかしく取り上げるから図に乗った輩がもっと盛り上げるのでしょう。今の日本は出る杭が打たれるだけではなく、根こそぎ引っこ抜き、始末するというひどい状態であることを自覚していないのではないでしょうか?

中国政府による中国企業への無謀な締め付け

配車サービスの最大手でソフトバンクGも出資する滴滴グローバル(Didi)は中国当局の警告を無視し6月30日にアメリカでIPOをしたことに対し、ブルームバーグが「中国、IPO強行の滴滴に前例ない規模の罰則を検討-関係者」と報じ、罰金、一部業務停止、国有資本の注入、強制的なアメリカでの上場廃止を検討していると報じています。これが報じられた今日、同社株は21%下落して上場後概ね3週間で高値から半値になりました。

更にBarron’sが今朝報じたニュースでは中国政府は中国の学習支援サービス事業者を全てNPOにする検討を進めていると報じています。これを受けたTAL やNew Orientalといった米国で上場する教育関係企業の株価が一日にして55-70%下落しています。これは営利企業としての存在を完全否定しているものです。遅かれ早かれアメリカで上場する中国企業はなくなるのではないか、と噂されており、中国当局の無謀ぶりで中国民間企業にいよいよ本格的試練がやってきたとみています。

中国政府の横暴さはここにきてヒートアップしていると申し上げてよく 25日からシャーマン米国務副長官が中国で王毅外相と会談しますが、かなり荒れる気がしています。シャーマン氏は実務派の実力者で北朝鮮を中心としたアジア問題には精通しています。シャーマン氏の中国訪問は10月にイタリアで開催されるG20に於けるバイデン/習近平会談の下地作りですが、今の中国の姿勢は国内外で喧嘩を売りまくっており、異様なまでの強気姿勢に暴走の懸念を持っています。中国の唯我独尊ぶりは確実に加速度を増しています。

後記

所有する商業スペースの一つが空きそうなのですがコストが高い不動産仲介業者に頼まず、無料のCraigslistに掲載したところ一週間で7-8件の問い合わせがあり、最終絞り込みに入っています。契約書のひな型など必要なものは全部揃っているため、不動産業者に頼らない貸し手と無駄な費用をかけたくない借り手側との意思の一致となりそうです。Craigslistでテナントを決めたことは過去にもあり、不動産屋不要時代の到来ですね。そういえば2月に東京で購入した不動産も直取引でそれを後で知った出入りの不動産屋が「参りました」と呟いていました。今の時代、できちゃうんですよ、なんでも。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2021年7月24日の記事より転載させていただきました。

会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。