昨今の社会情勢に伴い、働き方や生活様式が大きく変わリました。テレワークが増えて通勤時間が減り、人が集まるイベントなども減少して、体を動かす機会が減った方も多いでしょう。
それにより、体重の増加や体調不良になった方もいるのではないでしょうか? 人生100年時代、元気で楽しく過ごすコツを得ることは大きな収穫になります。
運動したいけど時間が無い。運動が嫌い。何をしても継続しない。そんな社会人のために、仕事中簡単にできる体づくり”を提案したいと思います。無理なく、楽しんでチャレンジしてください。
1時間に1回、トイレに行こう
「1時間に1回、トイレに行こう」と言うと「トイレにそんなに頻繁に行かないよ」と思う方もいるでしょう。確かに、トイレの一日の利用頻度は成人で5〜7回ぐらいです。8回以上だと頻尿ということになります。
この体づくりは仕事中のトイレ休憩で、デスクからトイレに行くまで、トイレからデスクに戻るまでの間に“ちょこっと体操”をするというものです。
オーストラリアのベーカIDI心臓・糖尿病研究所の研究データによれば、椅子に1時間座り続けていると平均寿命が22分間短くなるといいます。下半身の筋肉量は、身体全体の約70%を占めています。座りっぱなしだと下半身の筋肉をほぼ動かさないので、血流が悪くなります。血流が悪くなると、代謝が低下してしまいます。代謝が低下すると、さまざまな不調が心身に起こります。
本来は30分に一度は立ち上がって少し歩けると良いのですが、仕事中にそんなにウロウロとは出来ません。そこで、1時間に1回トイレに行くことをお勧めします。
デスクからトイレに行くまで、かかとを床につけず、つま先で歩いて移動します。かかとは大きく上げなくても大丈夫です。
つま先歩きはふくらはぎの筋肉を使います。ふくらはぎの筋肉には、血液を心臓にもどす大切な役割があります。つま先立ちの運動は筋トレには欠かせないトレーニングの1つなのです。
このときに気を付けたいのは、しっかりと前を向いて姿勢よく歩くことです。初めは頭の高さが上下してしまうと思いますが、毎日チャレンジしているとぴょこぴょこしないでスムーズに歩けるようになると思います。続けると姿勢も良くなるので、一石二鳥です。
ただ「1時間に1回」というのはあくまでも理想です。職場環境によってここまで頻繁にトイレ休憩を取るのが不自然という場合には、当然職場の状況に合わせて頻度を調節してください。こまめに立ち上がるという意識を持つだけで、変わってくるでしょう。
太ももを鍛えるスクワットの効果も
トイレを推奨するのにはもう一つ理由があります。足の大きな筋肉として太ももの筋肉がありますが、ここを鍛える効果も期待できるのです。
太ももを鍛える運動の1つに「スクワット」があります。誰もが一度は聞いたことのあるトレーニング法ではないでしょうか。
スクワットはイスに腰掛けたり、立ったりする動作と同じ運動です。仕事中にトイレへ行くと、デスクから立ち上がるとき、便座に座るとき、便座から立ち上がるとき、そしてデスクに戻って座る時と、このスクワットの動きを最低2回は行うことになります。
トレーニングは連続でも細切れでも効果はほぼ同じです。つまり、1時間に1回トイレに行けばスクワットを2回、8時間の勤務で16回行えるという計算になります。
このときに気を付けたいのは、ゆっくりと時間をかけて動作を行うことです。出来れば机などには捕まらず自力で立ち上がり、ゆっくりと時間をかけて座ってください。トイレは個室なので1回ではなく2~3回やっても良いかもしれません。
体を動かすと頭がスッキリしますので、仕事の効率もあがるはずです。ぜひ仕事の合間に”ちょこっと体操”を取り入れてみてください。
運動をする時間がないという人は、やがて健康のために時間を失う。
~~エドワード・スタンリー伯爵~~
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長岡 智津子 スポーツインストラクター Feel株式会社 代表取締役社長
日本体育大学を卒業後、国立競技場トレーニングルーム勤務。30年以上健康に携わる指導(健康増進体操・ソシアルダンス・ポールウォーキングなど)を1週間に150人以上指導。楽しく・美しく体を動かすことをモットーに性別・年齢を問わず、多くのメニューで心身の健康増進と生きがいづくりのプログラムを提供。非日常的な体験企画も提案し笑顔溢れる人生の道先案内人。 URL https://www.feel-nagaoka.com
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編集部より:この記事は「シェアーズカフェ・オンライン」2023年2月2日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はシェアーズカフェ・オンラインをご覧ください。