朝起きたら、Twitterにこんなメンションが。うんうん、そうなのだ。実は私、小山田圭吾のいじめ問題やそれを報じた音楽誌のこと、今回の騒動まで実はまったく知らなかったのだ。いや、本当に。情報感度が低い、勉強不足だ、情報収集が十分じゃないのではという批判は、真摯に受け止めよう。とはいえ、実はそういう記事が載っていたことや、ネット上で話題になっていたことすら知らなかったのだ。この記事の取材背景や、ネット上で拡散した際の切り取り方などについては諸説あるが、そもそも「小山田圭吾がいじめ関連で発言した」ということ自体知らなかったのだ。
だけどね、普通に生活していると小山田圭吾のことを調べる暇なんてない。興味すらない。コーネリアスの音源は、アルバムをずっとチェックはしていたし、『69/96』と『FANTASMA』はよく聴いたのだけど、だんだん難解になった気がし。さらに、なぜか小山田圭吾のパーソナリティーにはまったく興味がなく。フリッパーズ・ギターも解散して、小沢健二が売れた頃に知り、それなりに聴いたのだが。小山田圭吾が参加しているMETAFIVEは好きなのだが。
彼らが出てきた頃も、音楽は多様化していたし、人の好みも細分化していたし。
あと、この場を借りて言っておくが、『ロッキンオン』も『ロッキンオンジャパン』も数回しか買ったことがない。いや、後者を買ったのは1回だけだったか。だから、ロキノン的なものにまったく興味がなかったのだ。小山田圭吾インタビューも共通体験ではなかった、私にとっては。『クイックジャパン』に関しては手にとったこともない。
ロキノン的な何か、渋谷系的な何か、フジロック的な何かに面倒くさい、近寄りがたい何かを感じており。適度に距離をとっていたのだった。
いかにも文化系男子はこの手のことをチェックしていて当然、なのかもしれないが。まったく興味がわかず。イングヴェイ・マルムスティーンと、スティーブ・ヴァイと、クリス・インペリテリと、ヌーノ・ベッテンコート、ジョー・サトリアーニ、ジョン・サイクス、ザック・ワイルド、スラッシュ、エディ・ヴァン・ヘイレン、松本孝弘、高崎晃の誰が最強ギタリストなのかには関心があったのだが。だいたい、小山田圭吾はライトハンド奏法も、スウィープピッキングもできない。
ロスジェネ、いや団塊ジュニア世代的な五輪開会式評をここに書き、それなりに拡散したのだが。「小山田圭吾って誰?小林賢太郎って誰?」という人も多数だったのではないか。いかにも当時の若者は熱狂した的な話は、嘘で。尾崎豊ですら、当時、ハマっていたのはクラスの1~2割くらいだったような。
いかにも、90年代悪趣味カルチャーに誰もがハマっていて。小山田圭吾や小林賢太郎のことを熟知していたと思ったら、大間違いなのだ。
編集部より:この記事は千葉商科大学准教授、常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2021年7月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。