東京都のいう「国基準に合わせたら東京の重症者はこれくらい」の仰天数字
知ってる方は知っていると思いますが、東京都の重症者の基準は国と少し違って厳しめです。
とあります。
東京都の基準のほうがまともなのですが、なんども厚労省から国基準に合わせろと言われた小池都知事は、当てつけのようにすごい参考値をだすようになり、それをまた丸呑みする人がいて大丈夫かと思う次第です。
まず去年の8月のNHK報道
なぜ「重症者」の基準が2種類に?
8月19日時点の東京都の「重症者」は、「32人」(都の基準)と「41人」(国の基準)という2つの数字が並ぶことになりましたとありまして、東京の重症者は全国基準だと2割増しになるということがわかります。
ところがいまの東京のサイトを見ますと
8/4に東京都の基準だと115人の重症者数が国基準だと827人だそうです。当然3月末からこの数が大盛りになりました。
仮に本当に827人だとすると
国全体の重症者の823名より多い。www
これを丸呑みして東京は医療崩壊しているガーと騒ぐ脳みその足りない方や、わたしにたいしてデマだとか方。ちょっとは自分の頭で考えてみたら?
この間も立憲大好きなおばさまから「この人はデマばかり言っている」とツイートされてブロックしました。
国全体の重症者823人には東京都基準の重症115人が含まれるからそれを引くと、東京都の言うとおりなら東京の重症827人。それ以外の都道府県の重症712人ということになる。実に日本の重症の過半数が10%の人口で、かつ高齢者率が低く、医療の進んだ東京に集中していることになる。そんなことあるわけないでしょう www
仮にこれが本当ならどうなるか
東京都は全国との致死率の比較を出しています。
東京の致死率は全国よりずっと低い。仮に全国の半数以上の重症が東京にいるなら致死率はバカみたいに高くなります。それとも東京の重症者は死なないのか?
コロナの重症化率は厚労省が出していて
ワクチンが無い時で1.62%くらいでした。仮に東京の重症者が実は827名もいるなら東京都の重症化率はとんでもない数字になります。エボラなみ。が、重症化してもまったく死なないエボラ。www
東京でははっきりとコロナで亡くなったのは8/1に1人だけです。
ここまでで東京都が参考値として出している「国基準の重症者数」は何の意味もない無意味に盛った数字だと分かります。
東京都は軽症でもたくさん入院させている?
もうひとつ分からない点。
神奈川県は重症と中等症をわけて計上しています。
これによると入院しているざっくり10%が重症。中等症が80%、残りが軽症。
つまり中等症は重症の8倍くらいです。この基準は他でも同じでしょう。
で、東京はというと
重症はまともな国基準で20%増しにしても入院患者全体の5%もいません。神奈川の半分です。
神奈川と同じく中等症が重症の5倍だとすると中等症は800人くらい。ココで分かるのは東京都のいう「国基準の重症」というのは重症と中等症を合計した数くらいですね。
そうすると差し引き2400人も軽症を入院させていることになります。これを言われるのが嫌なので「国基準だと重症は800人以上いて中等症は2400人くらいだ」と主張しているのではないでしょうか。芸能人とかスポーツ選手とか相撲取りとか政治家とか、軽症と報道されているのに入院しましたって良く聞きますよね。
どういう計算なのかを追及した人がいた
様々な方法で集計されている重症者数データの見方を整理する
東京都のいい加減さを厳しく追及するNPO法人日本公共利益研究所/主宰の弁護士 楊井人文さんが調べてくれました。
非常に詳しく精査すると、小池都知事は「医療が切迫している」というたるに切迫しているように見せ掛けていたということがわかってくる。実際には病床に相当数余裕があってもそのように言ってるのだ。
今年1月以降、東京都では、第二次緊急事態宣言(1月7日〜3月21日)、まん延防止等重点措置(4月12〜24日)、第三次緊急事態宣言(4月25日〜6月20日)、まん延防止等重点措置(6月21日〜)と続いている。この間、ECMOnetのデータを見る限り、重症病床使用率が5割を大きく超えた時期はなかったことがわかる。
まあ、公的な資料でこのように堂々とデタラメを書かれてしまい、それを真に受けて慌てふためくのもどうかと思う。
データは丸呑みしないでいろんな方向から検討するのが基本です。
わたくしベッドの上で仕事をするのにコレを買いました。なかなか快適ですぞ。
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編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2021年8月6日の記事より転載させていただきました。