“世田谷モデル”ついに廃止へ――。前回、私が書いた記事だ。これについて、「廃止じゃなく停止だろ!」「ひえしまはデマ議員だ!」「世田谷区のHPをちゃんと見ろ!」などと早とちりして騒いでいる向きもあるが、こういう人々に罪はない。なぜなら、世田谷区役所はHPから「廃止」の文言を無断で削除していたからだ。
前回の私の記事では、区のHPにリンク付けして、クリックすれば飛べるようにしておいた。そこにちゃんと「廃止」と書いてあったからだ。このことは、日経新聞の滝田洋一編集委員のツイートを見てもわかる。
このように、区は8月2日付で、保坂区長がぶち上げた「誰でもいつでも何度でも」の“世田谷モデル”の根幹である「定期検査」を、「令和3年9月で廃止」すると発表したのである。しかし、区は私に指摘され、広く騒ぎになったからだろうが、4日に何の断りもなくしれっと削除した。しかも、HP更新日のクレジットは「8月2日9時更新」のままである(8月10日午前10現在)。わが会派(無所属・世田谷行革110番・維新)の田中優子議員も指摘している。
また、こういう指摘もある。
つまり、私のことを「デマ議員」呼ばわりした人々は、削除後の区のHPを見て騒いだに過ぎない。区は「廃止」の文言を削除したならば、その旨の説明文などを掲載すべきで、更新日のクレジットも直すべきではないのか。こういう区民を舐めた姑息な隠蔽工作が、“世田谷モデル”のいかがわしさを如実に物語っている。
これまで意を尽くして説明してきたが、ここでまた簡単に説明すると、大きく捉えれば、“世田谷モデル”(区の呼称は「社会的検査」)は、「定期検査」「随時検査」「スクリーニング検査」と3本の柱から成っている(コチラ参照)。
保坂区長がメディアでぶち上げたのは、「定期検査」のことだ。当然、世田谷区民92万人の「誰でもいつでも何度でも」などという、財源と頻度を度外視した馬鹿げたPCR検査など実現するはずもなく、議会の反発に遭い、縮小に縮小を重ね、内容も瞬く間に変質し、介護事業所や障害者施設などで、細々とアリバイのように実施されてきた。ここに7億円もの血税が投じられたのだ。私たちの会派が一貫して強く反対してきたのは、この「定期検査」のことである。
しかし、区長の思い付きは失敗する、と危惧した頭のいい役人たちが、本来、区長の案とは関係ない「随時検査」と「スクリーニング検査」を後から付け足し、全体としてなんとか体裁を保つように“改造”したのが、この“世田谷モデル”の実態なのである。
結局、この保坂区長発案の“世田谷モデル”=「定期検査」は、廃止になる。そう区自身が発表したのに、何の説明もなく区はHPから削除した。私の言い方が正確でないというのなら、現在、「定期検査」は新規受付を停止しているし、実施期間も「令和3年9月まで」となっている(区のHP参照)。
現在のHPを見ても、事実上の廃止に他ならない。世田谷区はワクチン接種も他区に比べて遅れている。引き続き、議会において“世田谷モデル”とワクチン接種についての検証を行って参りたい。