今週のつぶやき:日本の政局ほか

池袋の暴走事故に関して地裁の判決は禁固5年。この一件は事故も悲惨だったのですが、その後の展開が強い印象となりました。正直、飯塚被告が普通の人で反省の姿勢を見せればここまでの判決は出なかったでしょう。 90歳で5年の禁固は実質無期懲役か死刑判決のようなもので5年という年月以上に重いのです。なぜこうなったか、裁判官も人の子。そして飯塚被告の自分を下げることができない傲慢、頑固さが全てを物語ったと思います。運転していた時もブレーキだと過信したのでしょう。ただ実際には禁固されないと思います。

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では今週のつぶやきをお送りします。

あっと驚いたアメリカ雇用統計

8月のアメリカ雇用統計が驚愕の失望を誘いました。事前予想の72万人増に対して23.5万人増に留まってしまったのです。理由はホスピタリティ業がコロナで増減ゼロとなったことが想定外でした。私の予想も外れ。9月から本格的に「Back to Office」が期待されていただけに腰折れです。FRBは量的緩和縮小のタイミングを見直すかもしれません。少なくとも9月の線は9割無くなったといってよいでしょう。コロナの回復具合、および秋に衝撃的経済問題が起きないか、その動向次第ということになります。

株価は北米に関しては予想通り8月まで好調を持続しました。専門家の見方はこれが来年まで持続するのでは、という見方が増えています。ただ、私は引き続き警戒心を持っています。肌感覚としては「踊り疲れた」感が出そうな気がします。お金が余っているからか、ここバンクーバーも旅行客であふれています。バンクーバーやウィスラーのホテルは一流なら一泊4-5万円、それでも家族連れの観光客で賑わっていますがそんなに使って大丈夫かな、という気もします。

株式市場についていえば材料がないので無風状態といってよいと思います。ただし、それも今日まで。北米はレーバーホリディの3連休ですので週明けから何が飛び出すかわからない緊張感をもって臨んだほうがよいでしょう。トロントの証券マン氏が「お前、バイデン、このまま走れると思うか?」と聞くので「ハリスになったら大混乱だぞ」と言ったら黙りました。人工呼吸器にペースメーカーをつけてでもバイデン大統領にやってもらわねばならないのは苦渋の選択ということですかね。

日本の政局

先週の「つぶやき」で政局を語って以降、この1週間で政局は日替わりメニューで満腹状態。政治部の記者さん、お疲れさまでした。日々変わる状況では行くところまで行かないとコメントできないと思い、話題を振りませんでした。一応、首相退陣は最大のイベントですのでここは一度整理しておいたほうがよさそうです。

選挙の前に党内人事をどうするのでしょう。首相退陣のニュースもちきりでその直前の党執行部総入れ替えの話が宙に浮きました。入れ替えはそもそも総裁選の前哨戦のようなもの。菅総理が下村氏出馬をあきらめさせる飴として幹事長の話もありましたが、一部報道には全然違う名前が挙がっています。私は二階、菅両名が退くことは党内刷新が基本路線だとみています。とすれば閣僚もすっかり変わる可能性をもって総裁選を考えなくてはいけません。また、衆議院選挙は確実にあとズレします。11月初旬から中旬とみていますのでコロナ対策さえ機能すればイシューは経済対策と外交になるとみています。

つまり総裁選を占うのに私は先の予定から見てみたのです。議論上、候補をとりあえず岸田、河野、高市氏の3名に絞りましょう。岸田氏が一番バランスが取れた「中辛」です。高市氏は保守本流ですが我が強くフレキシビリティがない「激辛」。河野氏は「ココナッツカレー」のような斬新さがありますが、支持基盤があるかどうかです。今回の総裁選はフルスペックで議員側も自主投票に近いものとなれば党員を抑えたほうが圧倒的有利です。とすればこのカウントは河野氏有利です。

高市氏は産経が20票抑えたと報じているので出馬できるのでしょう。女性の首相を望む声があるものの胆力があるのか疑問です。岸田氏はバランスはよいのですが、いじめられたとき弱いのです。最近の野党や一部外国勢力は特に凶暴ですから今の威勢のよさを維持できるかメンタル的な疑問は残ります。そうすると英語が出来、交渉能力があり、宇宙人的な河野氏には個人的には期待をしてみたいところです。ただし、予想が全く浮かび上がらないし、まだこの先何があるのか、一寸先は闇であります。

半導体ショックはあるのか?

GMが9月に北米16工場の半分に当たる8工場で操業を数週間止めます。半導体がなく、車が作れないのです。トヨタがすでに9月は生産数を4割減にすると発表しています。自動車各社は新車をモーターショーなどで披露するのですが、そもそも入手できない幻の新車状態にあります。これで困る業種も多岐にわたります。ディーラーは売るクルマがない、これはとりもなおさず給与が払えない、赤字へまっしぐらになるのです。

中古車市場が暴騰しレンタカーもびっくり仰天の値上げぶりを支えた羽振りのよい個人客でも「こんなに払えない」という声はもうそこまで来ています。半導体がなくて作れないのは車だけではなく、ゲームやスマホ、果ては家電製品まであらゆる業種に及びます。私はそれらの製品を使う業種の業績下振れが9-12月決算で出ること、販売各社に「半導体倒産」が出かねない深刻な状況を見て取っています。

半導体は「今日の明日」という具合で増産できません。今の需要をこなすのに1-2年は覚悟ですし、半導体奪い合いの一環で台湾を取り込む中国の姿勢はより強化されるでしょう。台湾TSMCとサムスン電子が中国に取り込まれれば「お。わ。り。」です。この半導体問題はこの秋により鮮明な形として世界中に衝撃をもたらすとみています。

後記

昨夜、SDG’sのリアル討論会に参加して改めて思ったのはSDG’sサポーターが目指す「べき論」に極論が多いことでしょうか?そこまで環境に適合すべきなら紙の書籍は全部だめ、という理論も形成されそうでした。持ち帰り弁当屋の容器はどうするのでしょうか?EVの電源は何処?北欧の風力発電は偏西風という地の利です。ならば、石油が出る中東、風が吹く北欧ときて、日本は地熱発電、だけど国立公園が邪魔だからインドネシアで頑張ろうって何かおかしい気がします。SDG’s振り戻しもあるかもです。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2021年9月4日の記事より転載させていただきました。

会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。