ナゼSBIの北尾氏は新生銀行を手に入れたいのか?

SBIホールディングスが、新生銀行に対してTOB(株式公開買い付け)をかけると発表しました。

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新生銀行が今年1月に、マネックス証券と金融商品仲介業務での包括提携を発表したことから、北尾氏が態度を硬化させ、今回の敵対的買収に至ったようです。

日本経済新聞によれば、SBIは既に全国の地銀に資本提携して、地銀連合を構築しようとしています(図表も同紙から)。

日本経済新聞より

新生銀行をその中核にして、証券取引に誘導し、銀行再編を加速させるのが目的に見えます。

しかし、新生銀行の顧客基盤は、地方銀行とは随分異なります。新生銀行の前身である日本長期信用銀行時代の富裕層顧客が残っているかも知れませんが、高齢化しています。

むしろ、私のようにネット取引の利便性から、新生銀行になって口座開設した顧客の比率が高いはずです。

振込手数料無料とコンビニATMを利用したいだけの顧客から、預金を取り込もうという目論見は、地銀のようにはいかない気がします。

ネット銀行といえば、SBIグループには住信SBI銀行もあります。とは言え、合弁会社なので思うようにならず、新たな中核銀行を探していたのでしょうか。

私は、新生銀行とマネックス証券は使っていますが、SBI証券は使っていません。

個人的には、マネックス証券との業務提携を拡大して、新生銀行にはマネックスグループの決済機能を担って欲しいと思っていました。

SBIグループは、今回は金融庁を巻き込んで力技に出たようですが、このまますんなり決まるのでしょうか?


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年9月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。