今週のつぶやき:スタグフレーションがやってくる?ほか

菅さんが最後の大仕事、「緊急事態宣言解除」を発表しました。「令和おじさん」というより「コロナと戦ったお父さん」というイメージが強くなりました。何が原因でこれほど感染状況が改善したか、これまた様々な解説から珍説までありますが、ワクチン接種率が上がったことは否定できないでしょう。その点では河野さん、西村さん、田村さんも頑張ったと思います。ご苦労様でした。今日のビールが飲めるのも菅さんのおかげ、と一言ぐらい感謝しましょうよ。

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では今週のつぶやきをお送りします。

スタグフレーションがやってくる?

東京市場は5日連続安で先週金曜日の終値から今週金曜日の終値までの下げ幅は1477円、率にして4.9%下落となり、菅さんが総裁選に出馬しないとしてからの上昇分をほぼ打ち消してしまいました。このチャートは日本独特の形でしたのでアノマリー的な選挙の株買い、選挙事実で売りとなりました。「河野の買い、岸田の売り」というのも囁かれたのですが、河野銘柄が酷く下げる一方、岸田銘柄って何ですかねぇ?出身地のマツダに元勤務先の新生銀行、うーん、全然あり得ない銘柄です。

さて日本もこれでお祭りが終わったので市場動向は世界の歩調に合わせることになりますが、実態は悪い、と断言調で申し上げます。最大の問題はエネルギー価格の高騰とサプライチェーンの寸断で商売するにも仕入れできず、売るものなし、一方の世界の中央銀行はインフレ率の異様な高さにその対策で頭を痛めている点でしょう。決して良いインフレではないのです。再三いうようにカーボンゼロを発端としたギャップが生まれたのです。私は当初からそれを懸念材料として申し上げていたと思います。よって中央銀行は金融緩和策縮小という伝統的手段をとれないかもしれません。

これから気を付けなくてはいけないは「出し惜しみ」です。ロシアは既に欧州向けガスの供給を絞っています。ロシア産木材の輸出も絞っています。中国は節電をすすめ、電力を使うな、というお達しです。これで誰が潤うか、といえばカナダでしょうか?為替を見ると米ドル高と言われますが、その陰でしっかり上がっているのはガスも石油もあるカナダドルぐらいです。企業の出し惜しみにも気をつけるべきでしょう。日本は緊急事態宣言解除で浮かれていますが、世界は相当厳しい状態になりつつあります。

眞子さま、小室さまご結婚 

10月26日の結婚を宮内庁が発表しました。ご結婚、おめでとうございます、と申し上げます。近いうちにアメリカビザを取って小室さんの就労ビザの帯同ステータスでニューヨークでの生活が始まるのでしょう。小室さんと眞子さまがどれぐらいの深いお付き合いでどれぐらいお互いを知り合っているのか、私は皆目、見当もつきません。但し、確実に言えることがあります。それは育った環境が全く違うことです。これを乗り越えるのはたやすくありません。

夫婦関係がうまくいくか、私は3つのポイントがあると思います。金銭感覚、食事の好み、性格の一致です。もう一つは好き、好き、だーい好きでスタートするか、妥協の結婚か、です。好きで結婚すると100点に近いところから減点法になる一方、見合い結婚が比較的離婚せずに長続きするのは50点からスタートし、加点余地があるからです。眞子さま、小室さまの場合はこれに家庭環境が加わり、更に新天地での生活、就職したばかりのストレスなど試練が山のように待ち構えます。だからこそそっとしておいてあげたいと思います。

日本のメディアが小室さんの就職先や小室さんの上司にまでアタック取材を試みていますが、これは弁護士事務所の従業員が小室さんを守り切れない状態を作りかねません。メディアのパパラッチは絶対にやめるべきでしょう。そこまでして他人の家庭を覗きたいというのは単なる悪趣味、家政婦は見た以外の何物でもなく、日本の品位を落とすだけです。遠くに行くのですから見守ってあげるぐらいの寛容な心を持ってあげたいところです。

ゲーム機の世界

日経ビジネスの特集に「日本勢は『ガラゲー』か?、ゲーム進化論」という特集がありました。これはたいへん興味深い内容でした。私はゲームはしません。インベーダーゲームとマリオを少しやっただけでその後は一切触っていません。理由はゲームのプライオリティが低く、私にはそれをやる時間が廻ってこないからです。人それぞれの考えであり、プライオリティの位置づけの話だと思います。

ただ、日経ビジネスが報じたポイントは私をゲームに引きずり込むかもしれません。それはこの一節。「フォートナイトを単なるゲームと考えると、その実力を見誤る。世界中から膨大なヒトとカネが集まるプラットフォームであり、若者に情報を届けるメディアとして大きな存在感を持ち始めた。そこに着目し、活用する企業や団体も増えている」です。つまりゲームはゲームではないということ。わかりやすい例えはラスベガスのカジノはおまけ、と言ったらピンとくるでしょうか?

「ガラゲー」と称したのは任天堂やソニーがゲーム機として深掘りをしている間に世界を制するゲームはほとんどすべてが手持ちのスマホ、パソコンなど専用機を使わなくても遊べるものとなり、併せてプラットフォームを通じてライブイベントをするなど集客で圧倒的な力量差が出ています。任天堂の「あつ森」が3400万本で大騒ぎしていますが、世界ランクだと見えないぐらい下。トップはアメリカのAmong Usで5億人、2位がフォートナイトで3.5億人が楽しんでいる水準です。ガラゲーの意味はここにあります。ゲームよ、おまえもか、と言われるのでしょうか?悩ましいです。

後記

カナダで今年の春、先住民学校の敷地から子供たちの遺体が次々見つかった事件がありました。政府の先住民に対する対応は素早く「真実と和解のための日」を制定し、9月30日を祭日にしてしまいました。きわめて政治的な決定でした。しかし、9月30日は月末、企業の第3四半期最終日で我々からすればなんでこんな日を選んだ、の恨み節。銀行は休みだけど証券市場は開くというちぐはぐ、記念日として政府関係は休みだけど民間は独自の判断に任せるという宙ぶらりん。日本なら逆立ちしても許されない話でしょう。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2021年10月2日の記事より転載させていただきました。