緊急事態宣言解除で感染再拡大より懸念されること

1週間前にも新幹線を利用する機会がありましたが、10月1日から緊急事態宣言が解除されたことで、その時と比べて大きな変化が起こっているのを感じます。

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まず、車内がかなり混雑しています。土曜日の朝というせいもあるとは言え、以前のような自粛のガランとした雰囲気ではなく、平常の週末のような状態に戻っています。まだ完全に以前の利用率には戻っていないのかもしれませんが、明らかに9月までとは変わっています。

また、駅のホームの売店で、アルコール販売が再開されていたのにも驚きました。これまでは飲食店と同様に、鉄道各社もアルコール販売を自粛していました。

ただ、東京駅の八重洲地下街にあるコンビニではアルコール販売を行っているのに、改札に入ると売っていないという何ともチグハグな感じでした。

遂にJR東海もアルコール販売解禁か!と思いきや、車内販売では引き続きアルコールは取り扱っていないとのことでした。

仕事前の朝から飲むつもりはありませんので実害は無いですが、ホームでは買えるのに車内では買えないという、更にチグハグな対応になっています。これもあと数日すれば解消されていくのでしょうか。

緊急事態宣言が解除されたからといって、新型コロナウイルスの感染力に何か変化があった訳ではありません。

報道によれば、旅行の予約も増えたりしているようですが、9月に旅行に行くのは感染リスクが高いから自粛し、10月に入れば安心して出かけるというのは、あまり合理的な判断とは言えません。

むしろ、9月の空いている時期に安い価格でゆったりと休日を過ごす方が、密になりにくく賢明だと思います。

緊急事態宣言解除による急激な活動再開が、観光地や飲食店の予約困難につながらないか。新型コロナウイルスの感染拡大よりも、そちらの方が心配です。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年10月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。